行政書士試験に出る数字・期間の暗記リスト|横断整理
行政書士試験で頻出の「数字・期間」を科目横断で徹底整理。行政法・民法・憲法・一般知識の重要な数字を暗記リスト形式でまとめます。
はじめに|数字・期間の暗記が直接得点に結びつく
行政書士試験では、「何日以内」「何ヶ月以内」「何分の1以上」といった数字や期間に関する知識が、択一式で直接問われることが非常に多いです。条文の趣旨や判例の射程を理解する能力ももちろん重要ですが、数字の正確な暗記はそれ以上に即効性のある得点力を持ちます。
なぜなら、数字に関する問題は「知っていれば確実に正解できる」問題だからです。法律の解釈や判例の評価には複数の見方がありえますが、「審査請求期間は処分を知った日の翌日から3月以内」という数字には解釈の余地がありません。覚えているか覚えていないか、それだけで正誤が決まります。
しかし、数字の暗記には大きな落とし穴があります。それは「似たような数字が多く、混同しやすい」という点です。行政不服審査法の審査請求期間は「3月」、行政事件訴訟法の出訴期間は「6月」。この違いを正確に覚えていなければ、本番で迷って誤答してしまいます。
本記事では、行政書士試験で頻出の数字・期間を科目横断で整理し、比較表と暗記のコツを提供します。試験直前の総点検にも使える実践的なリストです。ぜひブックマークして繰り返し確認してください。
この記事の使い方|暗記には「3段階」のアプローチが効く
数字の暗記は、ただリストを眺めるだけでは定着しません。次の3段階で進めると、本番で迷わず引き出せる「使える記憶」になります。
- 科目ごとに覚える(第1段階): まずは行政手続法、行政不服審査法というように、科目単位で数字を整理して覚えます。文脈とセットで覚えるため、最初の定着がスムーズです。
- 横断で比較する(第2段階): 科目をまたいで似た数字を並べ、「3月」と「6月」、「3年」と「5年」のように対比して覚えます。混同を防ぐ最重要のステップです。
- ひっかけ角度で確認する(第3段階): 過去問で「数字をすり替えた誤り選択肢」に対応できるかを検証します。本番で問われるのはこの形式です。
本記事は第1段階(科目別の章)→第2段階(科目横断の比較表の章)→第3段階(暗記のコツとクイズ)の順に構成しています。一読しただけで終わらせず、表を隠して数字だけを答える「自己テスト」を繰り返してください。
なぜ数字は「ひっかけ」の的になるのか
出題者の立場で考えると、数字は誤り選択肢を作りやすい素材です。「3月」を「6月」に、「50分の1」を「3分の1」に、「重大な過失」を「過失」に変えるだけで、もっともらしい誤りの肢ができあがります。受験生が「なんとなく覚えている」状態だと、こうした微妙なすり替えを見抜けません。
逆に言えば、数字を正確に押さえている受験生にとっては、これらは確実な得点源です。理解問題で差がつきにくい近年の傾向の中で、数字の暗記は「努力が裏切らない」数少ない分野だと言えます。
行政手続法の重要な数字
標準処理期間と理由の提示
行政手続法は、行政庁の処分手続きに関するルールを定めた法律です。条文数は比較的少ないですが、試験では条文の正確な文言が問われるため、数字や「義務」「努力義務」の区別を正確に覚えておく必要があります。
標準処理期間の「設定」は努力義務ですが、「設定した場合の公表」は義務です。この区別は択一式で繰り返し出題されています。
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
――行政手続法6条
「努力義務/義務」を見分ける条文の語尾
行政手続法では、条文の語尾で「義務の強さ」が決まります。出題者はこの語尾を入れ替えて誤り肢を作るため、語尾そのものを覚えることが有効です。
審査基準(5条)は「定めるものとする」「公にしておかなければならない」と義務的なのに対し、処分基準(12条)は「定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない」と努力義務である点も頻出の対比です。標準処理期間(6条)の「設定は努力義務/公表は義務」とあわせて、「申請側の予測可能性に直結する公表は義務寄り」という趣旨で整理すると混同しにくくなります。
聴聞と弁明の機会の付与
不利益処分を行う場合の意見陳述手続きにも、重要な数字があります。
聴聞の通知は「相当な期間前」とされており、具体的な日数は法定されていません。ただし、「相当な期間前」という文言は択一式で問われることがあるため、覚えておく必要があります。
聴聞と弁明の機会の付与の対比
「聴聞」と「弁明の機会の付与」は、不利益処分の重大性に応じて使い分けられます。聴聞のほうが手続が重く、口頭での意見陳述や文書閲覧などの手厚い保障があります。試験では両者の差が頻出のため、整理表で押さえましょう。
数字そのものより「重い手続=聴聞」「軽い手続=弁明」という対応関係が問われます。なお、聴聞・弁明いずれの通知も「相当な期間をおいて」とされ、具体的日数の定めがない点は共通です。
届出の到達主義
届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。
――行政手続法37条
届出は「到達したとき」に効力が生じます。「受理」ではなく「到達」である点が重要です。形式上の要件に適合している限り、行政庁が受理を拒んでも、到達した時点で届出義務は果たされたことになります。「受理」という観念を持ち込んで処理を遅らせる運用を否定した規定であり、ここは「到達主義」というキーワードで頻出します。
行政不服審査法の期間
審査請求期間
行政不服審査法の期間は、行政書士試験で最も頻繁に出題される数字の1つです。主観的期間と客観的期間の2つを正確に覚えましょう。
処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月(当該処分について再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して一月)を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
――行政不服審査法18条1項
注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 起算点は「翌日」から(初日不算入の原則)
- 再調査の請求をした場合の審査請求期間は「決定を知った日の翌日から1月」
- 「正当な理由」がある場合は期間経過後も審査請求可能
主観的期間と客観的期間の意味
時効や請求期間の理解には、「主観的起算点」と「客観的起算点」の区別が欠かせません。これは行政法・民法を横断する重要概念です。
- 主観的起算点: 当事者が事実(処分があったこと、損害・加害者など)を「知った」ことを基準とする起算点。期間は短い(3月、3年、5年など)。
- 客観的起算点: 当事者の認識を問わず、客観的な事実(処分の日、不法行為の時など)を基準とする起算点。期間は長い(1年、10年、20年など)。
両者は「いずれか早く到来したほうで権利行使ができなくなる」という関係に立ちます。知らないまま長期間放置しても、客観的期間が過ぎれば請求できなくなる、という構造を理解しておくと、各科目の数字が暗記しやすくなります。
「正当な理由」と旧法「やむを得ない理由」
現行の行政不服審査法(平成26年改正・平成28年4月1日施行)では、期間経過後でも「正当な理由」があれば審査請求ができるとされています。改正前は「天災その他やむを得ない理由」と要件が厳しかったため、要件が緩和された点を押さえておくと、改正論点として問われた際に対応できます。また、改正により審査請求期間そのものも、旧法の「60日」から現行の「3月」へと延長されています。「旧60日→現3月」という変遷は、改正のポイントとして整理しておくと有利です。
審理手続きに関する期間
審理手続きの各段階には、具体的な日数・月数が定められていないことが多く、「遅滞なく」という表現が使われています。この点も択一式で問われます。
「遅滞なく」「速やかに」「直ちに」の違い
行政法では、即時性を表す3つの表現が使い分けられています。試験では、これらをすり替えた誤り肢が出されることがあるため、即時性の強弱を覚えておきましょう。
行政不服審査法では審理員意見書の提出や裁決について「遅滞なく」が用いられ、合理的な理由のない遅延は許されないが、相応の事務処理時間は許容される、という意味合いになります。
行政事件訴訟法の期間
出訴期間
行政事件訴訟法の出訴期間は、行政不服審査法の審査請求期間との比較で出題されることが非常に多いです。
取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
――行政事件訴訟法14条1項
行政不服審査法との比較
この比較表は極めて重要です。審査請求は「3月」、取消訴訟は「6月」という違いに加え、起算点の違い(審査請求は翌日起算、取消訴訟は条文上「知った日から」)にも注意が必要です。
出訴期間は「不変期間ではない」点に注意
取消訴訟の出訴期間は、いずれも「正当な理由があるとき」は例外が認められます(14条1項ただし書・2項ただし書)。期間が固定的な「不変期間」とは異なり、正当な理由による救済の余地が残されている点が問われることがあります。また、審査請求を経た場合の出訴期間は、審査請求に対する「裁決があったことを知った日から6月」「裁決の日から1年」と読み替えられます(14条3項)。「処分」を起点とするか「裁決」を起点とするかで起算点が変わる点も整理しておきましょう。
仮の救済に関する要件
執行停止は「重大な損害」、仮の義務付け・仮の差止めは「償うことのできない損害」と、損害の程度の表現が異なる点に注意しましょう。仮の義務付け・仮の差止めのほうがより厳格な要件になっています。
損害の程度を表す「3段階」のキーワード
行政事件訴訟法では、求める救済の重さに応じて、必要とされる損害の程度が段階的に上がっていきます。この「言葉のグラデーション」を押さえると、どの場面でどの要件かを正確に答えられます。
「重大な損害」より「償うことのできない損害」のほうが要件として重い、という大小関係を理解しておくと、肢の正誤が判断しやすくなります。なお、執行停止の消極要件として「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき」「本案について理由がないとみえるとき」は許されない(25条4項)点も併せて押さえましょう。
国家賠償法の数字
求償権と相互保証
国家賠償法は条文数が少ない(全6条)ですが、試験で問われる数字・要件は正確に覚えておく必要があります。
前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
――国家賠償法1条2項
求償権の要件が「故意又は重大な過失」である点は頻出です。軽過失の場合は求償権がないことに注意しましょう。被害者との関係では国・公共団体が無過失でも責任を負う場面がある一方、内部関係(求償)では公務員の故意・重過失が必要、という二段構えを理解しておくと混同しません。
1条責任と2条責任の対比
国家賠償法の1条(公権力の行使)と2条(営造物責任)は、責任の性質が大きく異なります。とくに「過失の要否」が分かれ目です。
国家賠償法二条一項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、これに基づく国及び公共団体の賠償責任については、その過失の存在を必要としないと解するを相当とする。
――最判昭和45年8月20日(高知落石事件)
2条責任が無過失責任であることは判例によって確立しており、数字ではないものの「過失不要」というキーワードで頻出します。
民法の期間
消滅時効
民法の時効期間は、行政書士試験で最も出題頻度の高い数字の1つです。2020年の民法改正で時効制度が大幅に変更されたため、改正後の条文を正確に覚える必要があります。
債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
――民法166条1項
改正で何が変わったか|旧短期消滅時効の廃止
2020年4月1日施行の改正民法では、職業別に1年・2年・3年などとされていた「短期消滅時効」が廃止され、債権の消滅時効は原則として「主観的5年/客観的10年」に一本化されました。これにより、改正前に存在した飲食料の代金(1年)、弁護士報酬(2年)などの細かい数字を覚える必要はなくなりました。試験で旧短期消滅時効の数字をそのまま問う出題は考えにくいですが、改正の方向性(短期時効の廃止・主観的起算点の導入)は論点として整理しておきましょう。
不法行為の時効
不法行為に基づく損害賠償請求権の時効は、一般の債権の消滅時効とは異なる特則が設けられています。
不法行為の一般的な主観的期間は「3年」ですが、人の生命・身体を害する場合は「5年」に延長されます。この区別は試験で問われやすいポイントです。
生命・身体侵害は「債務不履行でも不法行為でも5年」に揃う
改正民法は、生命・身体の侵害という重大な被害について、債務不履行構成と不法行為構成のどちらでも主観的期間を「5年」に揃えました。具体的には、不法行為では一般の3年を5年に延長し(724条の2)、債務不履行では一般の10年を「20年」に延長しています(167条)。被害者保護の観点から、構成の違いで時効期間に差が出ないよう調整した結果です。「生命・身体なら主観的5年・客観的20年」とまとめて覚えると効率的です。
時効の「完成猶予」と「更新」
改正民法では、旧法の「時効の中断・停止」が「更新・完成猶予」という用語に整理されました。用語のすり替えが問われることがあるため、対応関係を押さえておきましょう。
- 完成猶予(旧「停止」に近い): 一定の事由がある間、時効の完成が一時的に猶予される。裁判上の請求中、催告後6か月、協議を行う旨の合意(1年以内など)が代表例。
- 更新(旧「中断」に近い): 一定の事由により、それまで進行した時効期間がリセットされ、新たにゼロから進行する。確定判決による権利確定、権利の承認が代表例。
催告は「6か月の完成猶予」を生じさせるにとどまり、更新までは生じさせない点が頻出です。
取消権・追認の期間
取消権の起算点は「追認をすることができる時」であり、たとえば制限行為能力者が行為能力者となった時、詐欺・強迫の状態を脱した時などです。単に「行為の時から5年」と覚えると誤りになるため、主観的起算点(追認可能時)と客観的起算点(行為時)を区別しましょう。
相続に関する期間
遺留分侵害額請求権は、主観的期間が「1年」と非常に短い点に注意が必要です。他の多くの権利が「3年」「5年」である中、「1年」は例外的に短い期間です。
相続まわりの数字を一気に整理
相続分野には、熟慮期間以外にも覚えるべき数字が点在します。横断的にまとめると次のとおりです。
遺留分の「1年(行使期間)」と「2分の1・3分の1(割合)」を混同しないよう、期間と割合を分けて覚えるのがコツです。
憲法の数字
国会・議院に関する数字
憲法の数字は、条文を正確に覚えているかどうかが直接問われます。
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
――日本国憲法54条1項
「40日以内」と「30日以内」の組み合わせは暗記必須です。「解散→40日以内に選挙→30日以内に召集」という流れで覚えましょう。
国会の会期・定足数に関する数字
国会の運営に関する数字も、択一式で問われます。会期や定足数は混同しやすいため、表で整理します。
定足数の「3分の1」と臨時会召集要求の「4分の1」は数字が近く、すり替えられやすいので注意が必要です。
裁判所・内閣に関する数字
「10日」「10年」が集まる場面に注意
憲法では「10日」「10年」という数字が複数の場面に登場します。意味を取り違えやすいので、何の期間かをセットで覚えましょう。
- 10日: 内閣不信任決議後の解散・総辞職の期限(69条)、衆議院の指名議決後に参議院が議決しない場合の期間(67条2項)、緊急集会の措置に対する衆議院の同意期間(54条3項)。
- 10年: 下級裁判所裁判官の任期(80条1項、再任可)、最高裁裁判官の国民審査の再審査の間隔(79条2項)。
「10日は国会・内閣の局面」「10年は裁判官の身分の局面」とジャンルで分けて記憶すると混乱しにくくなります。
地方自治法の数字
直接請求制度の署名数
地方自治法の直接請求制度では、必要な署名数が論点として頻出です。
覚え方のポイントは、「条例制定・改廃」と「監査請求」は50分の1、「解散・解職」系は3分の1という区分です。
「3分の1」要件には有権者数に応じた緩和がある
解散・解職請求の「3分の1以上」という要件は、有権者数が多い大規模な自治体ではハードルが高すぎるため、有権者数が40万を超える部分・80万を超える部分について必要署名数の割合を緩和する特例が設けられています(地方自治法76条1項など)。具体的な計算式まで問われることは多くありませんが、「大都市では3分の1より緩和される特例がある」という枠組みを知っておくと、細かい数字を問う肢に惑わされません。
直接請求後の手続き
議会の解散・議員の解職・長の解職は、署名を集めた後に住民投票が行われ、過半数の同意が必要です。署名だけでは実現しない点に注意しましょう。
議会・長の関係に関する数字
地方自治法では、議会と長の関係(二元代表制)に関する数字も問われます。国の議院内閣制との違いも意識しましょう。
長の不信任議決の「3分の2出席・4分の3同意」という重い要件は、地方自治法独自の数字として頻出です。憲法上の内閣不信任(出席議員の過半数)との違いを意識して覚えましょう。
科目横断の比較表で整理する
期間の比較表:「3月」「6月」「1年」
同じ「期間」でも、科目や場面によって異なる数字が使われています。混同しやすい数字を科目横断で比較します。
時効期間の比較表
議決要件の比較表
「分数」を横断でまとめる
「○分の○」という割合は、国会・地方自治・民法相続にまたがって登場します。数字だけを横断で並べると、どの分数がどの場面かを一気に確認できます。
「壊す・重い決定ほど分母が小さく(割合が大きく)なる」という感覚を持つと、50分の1(軽い手続)と3分の1(重い手続)の関係が直感的に整理できます。
「正当な理由」で救済される期間
期間制限には、原則として固定の期限がありつつ、「正当な理由」があれば例外が認められるものがあります。
「正当な理由」という同じ文言が行審法・行訴法の双方で用いられている点も、横断で覚えておくと有利です。
暗記のコツと効率的な学習法
語呂合わせで覚える
数字の暗記には語呂合わせが効果的です。以下にいくつかの例を紹介します。
「審査請求は3月、訴訟は6月」
→ 「審査(3)が先、訴訟(6)が後」と覚える。不服申立ての方が訴訟より期間が短いのは、行政内部での解決を先に促す制度趣旨と結びつけると理解しやすいです。
「解散したら40日で選挙、30日で召集」
→ 「ヨン(4)ジュウの選挙にサン(3)ジュウの召集」。数字が1つずつ減っていくイメージで覚えます。
「直接請求はゴジュウブンノイチとサンブンノイチ」
→ 「イチゴ(1/50)を作って、サン(1/3)で壊す」。条例の制定(作る行為)は50分の1、解散・解職(壊す行為)は3分の1と、行為の重大性に応じて必要署名数が増えるイメージです。
「不法行為はサン・ニイゼロ、生命身体はゴ・ニイゼロ」
→ 不法行為の一般は「3年・20年」、生命・身体は「5年・20年」。客観的期間の「20年」は共通で、主観的期間だけが3年→5年に延びる、と覚えます。
「制度趣旨」とセットで覚えると忘れにくい
語呂合わせは思い出すきっかけになりますが、根本的に忘れにくくするには、数字を制度趣旨と結びつけるのが有効です。たとえば次のように考えます。
- 審査請求が訴訟より短い(3月<6月)のは、行政内部での簡易迅速な解決をまず促すため。
- 生命・身体の侵害だけ時効が延びる(3年→5年)のは、被害者保護を厚くするため。
- 遺留分侵害額請求が1年と短いのは、相続関係を早期に安定させるため。
「なぜその数字なのか」を一度自分の言葉で説明できると、本番で迷ったときに数字を再構成できます。
比較表を自作して反復する
本記事で紹介した比較表を自分の手で書き直すことが、最も効果的な暗記法です。見るだけでは記憶に定着しにくいですが、自分で表を作成すると、数字の違いを意識的に比較しながら書くことになるため、記憶の定着率が飛躍的に向上します。
比較表を作成する際のポイントは以下のとおりです。
- 似たような数字を並べる: 「3月」と「6月」、「1年」と「20年」など、混同しやすい数字を横に並べる
- 色分けする: 蛍光ペンで数字を色分けすると視覚的に記憶に残りやすい
- 毎日5分間確認する: 作成した比較表を毎日見返す習慣をつける
過去問で定着度を確認する
暗記した数字が正確に定着しているかは、過去問を解いて確認するのが最善です。過去問の選択肢の中には、正しい数字を微妙に変えた「ひっかけ」が含まれていることが多く、こうしたひっかけに対応できるかどうかが暗記の精度を測る指標になります。
たとえば、「審査請求は処分を知った日の翌日から6月以内にしなければならない」という選択肢は、「6月」の部分が誤りです(正しくは「3月」)。このような問題を繰り返し解くことで、正確な数字が定着していきます。
よくある誤解・ミスのパターン
数字の暗記でつまずきやすいポイントを、誤解の形で整理しておきます。本番直前のチェックリストとしても使えます。
- 審査請求の起算点を「処分の日」と勘違いする: 主観的期間は「知った日の翌日から」が正解。客観的期間が「処分があった日の翌日から」です。
- 取消訴訟の起算点を「翌日」と勘違いする: 条文は「知った日から」であり、審査請求のような「翌日から」という明示がありません。両者の起算点の違いがひっかけになります。
- 求償権の要件を「過失」と勘違いする: 国家賠償法1条2項の求償権は「故意又は重大な過失」が必要。軽過失では求償できません。
- 遺留分の「1年」と相続放棄の「3月」を混同する: 遺留分侵害額請求は1年、相続の承認・放棄の熟慮期間は3月です。
- 直接請求の署名数を取り違える: 条例制定・監査は50分の1、解散・解職は3分の1。逆に覚えていると失点します。
行政不服審査法における審査請求の主観的期間は、処分があったことを知った日の翌日から6月以内である。○か×か。
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、損害及び加害者を知った時から5年である。○か×か。
地方自治法において、条例の制定・改廃を直接請求するために必要な署名数は、有権者の3分の1以上である。○か×か。
国家賠償法1条2項により、加害公務員に軽過失があった場合でも、国又は公共団体はその公務員に対して求償権を有する。○か×か。
取消訴訟の主観的出訴期間は、処分又は裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内である。○か×か。
まとめ
行政書士試験に出る数字・期間を科目横断で整理しました。本記事のポイントを振り返ります。
- 行政不服審査法の「3月」と行政事件訴訟法の「6月」の区別は最頻出。起算点の違い(翌日起算か当日起算か)も合わせて正確に覚える
- 民法の時効期間は改正後の条文を正確に暗記する。一般の債権(5年/10年)、不法行為(3年/20年)、生命・身体の侵害(5年/20年)の区別が重要
- 国家賠償法の求償権は「故意又は重大な過失」、地方自治法の直接請求は「50分の1」と「3分の1」、憲法は「40日・30日」「3分の2」が頻出
- 科目横断の比較表を自作し、似た数字を並べて覚える。語呂合わせと制度趣旨、反復学習を組み合わせ、過去問で定着度を確認する
数字・期間の暗記は地道な作業ですが、覚えた分だけ確実に得点に結びつきます。理解問題で差がつきにくい近年の傾向の中で、数字は「努力が裏切らない」分野です。試験直前まで繰り返し確認し、本番で確実に正解できるようにしましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 数字の暗記はいつから始めるべきですか?
科目ごとの基礎学習が一通り終わった段階(8〜9月頃)から、科目横断での数字整理を始めるのが効果的です。ただし、各科目の学習時に出てくる数字はその都度覚えるようにし、後から横断整理で混同しやすい数字を重点的に確認しましょう。
Q2. 条文番号まで覚える必要はありますか?
条文番号を覚えることは必須ではありませんが、覚えていると択一式で選択肢の正誤判断が速くなります。特に、行政手続法6条(標準処理期間)、行政不服審査法18条(審査請求期間)、行政事件訴訟法14条(出訴期間)、民法166条(消滅時効)などの主要条文は、番号と内容をセットで覚えておくと有利です。
Q3. 憲法の数字は全部覚える必要がありますか?
憲法の数字はそれほど多くないため、主要なものはすべて覚えることを推奨します。特に、衆参の任期(4年・6年)、解散後の選挙と召集の期間(40日・30日)、議決要件(過半数・3分の2)、定足数(3分の1)は最低限押さえておくべきです。
Q4. 改正前の民法の時効期間は出題されますか?
現在の行政書士試験では、改正後の民法(2020年4月1日施行)に基づいて出題されます。改正前の短期消滅時効(1年・2年・3年・5年)は廃止されたため、出題される可能性は低いです。ただし、経過措置に関する出題がゼロとは断言できないため、改正の概要は把握しておくとよいでしょう。
Q5. 数字の暗記にスマートフォンのアプリは使えますか?
フラッシュカード形式のアプリ(Anki等)は数字の暗記に非常に有効です。表面に「審査請求の主観的期間は?」、裏面に「知った日の翌日から3月以内(行政不服審査法18条1項)」と記録し、通勤・通学時間に繰り返し確認しましょう。アプリの間隔反復機能を活用すれば、忘却曲線に合わせた効率的な復習が可能です。
Q6. 「3月」と「3か月」「90日」は同じ意味ですか?
法律上の「3月(さんげつ)」は暦に従った3か月を意味し、起算日に応当する日の前日に期間が満了します(民法143条参照)。「90日」のように日数で固定されているわけではないため、月の大小によって実際の日数は変わります。条文が「3月」と定めているものを「90日」と読み替える肢は誤りになり得るので、条文の文言どおり「3月」「6月」で覚えておきましょう。
Q7. 行政書士試験の数字は記述式でも問われますか?
記述式(行政法・民法各分野)でも、要件や期間を正確に書かせる出題があり得ます。たとえば執行停止や仮の義務付けの要件、時効の起算点などは、キーワードを正確に書けるかで部分点が変わります。択一対策で覚えた数字・要件を、記述でも「正確な文言」で再現できるように、書いてアウトプットする練習をしておくと安心です。