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文章理解の解法テクニック|行政書士試験で3問全問正解を狙う

行政書士試験の文章理解(3問)で全問正解するための解法テクニックを解説。要旨把握・空欄補充・並べ替えの各問題タイプ別に実践的なアプローチを紹介します。

はじめに|文章理解は一般知識の「安定得点源」

行政書士試験の一般知識等科目(56点満点・14問)には、足切り基準があります。一般知識等で24点(6問)以上を取らなければ、法令科目でどれだけ高得点を取っても不合格となります。この足切りを確実に超えるために、文章理解は最も頼りになる得点源です。

文章理解の配点と位置づけ

項目内容出題数3問配点12点(1問4点 × 3問)出題分野一般知識等(問題59〜61付近)問題タイプ要旨把握、空欄補充、並べ替え

一般知識等14問のうち3問が文章理解です。政治・経済・社会の分野は時事問題が多く対策が難しいのに対し、文章理解はテクニックを身につければ安定して得点できる分野です。3問中3問正解(12点)を目標にしましょう。

なぜ文章理解で全問正解を目指すべきか

一般知識等の足切りライン(6問正解・24点)を確保するためのシミュレーションを見てみましょう。

文章理解の正解数残り11問で必要な正解数難易度3問正解(12点)3問正解でOK余裕あり2問正解(8点)4問正解が必要やや厳しい1問正解(4点)5問正解が必要厳しい0問正解(0点)6問正解が必要非常に厳しい

文章理解で3問全問正解すれば、残り11問中3問の正解で足切りをクリアできます。逆に、文章理解で0問正解だと、政治・経済・社会・情報通信の11問中6問を正解しなければならず、不確実な分野に頼ることになります。

文章理解の3つの問題タイプ

行政書士試験の文章理解は、例年以下の3タイプから出題されます。

1. 要旨把握問題

文章全体の要旨(筆者の主張・結論)を問う問題です。「本文の趣旨として最も妥当なものはどれか」「筆者の主張に合致するものはどれか」という形で出題されます。

2. 空欄補充問題

文章中の空欄に入る適切な語句・文を選ぶ問題です。「空欄ア〜ウに入る語句の組合せとして最も妥当なものはどれか」という形で出題されます。

3. 並べ替え問題

バラバラにされた文章の断片を正しい順序に並べ替える問題です。「ア〜オを正しい順序に並べ替えたものとして最も妥当なものはどれか」という形で出題されます。

要旨把握問題の解法テクニック

要旨把握問題は、文章の主旨を正確に読み取る力が問われます。以下のテクニックを活用しましょう。

テクニック1:接続詞に注目する

接続詞は文章の論理構造を示す重要な手がかりです。特に以下の接続詞の後に続く内容に注目しましょう。

接続詞の種類具体例役割逆接しかし、だが、ところが、けれども前の内容を否定・転換し、後の内容が筆者の主張であることが多い結論したがって、よって、ゆえに、つまり結論を導く。この後に筆者の最終的な主張が来る換言すなわち、つまり、要するに、言い換えれば前の内容を別の言葉で表現。筆者の主張の核心を簡潔に示す例示たとえば、具体的には前の抽象的な主張を具体例で説明。主張そのものではない添加また、さらに、加えて前の主張に情報を追加する
最重要: 「しかし」「だが」などの逆接の接続詞の後に来る内容は、筆者の本当の主張であることが非常に多いです。逆接の接続詞を見つけたら、その後の文を特に注意して読みましょう。

テクニック2:最終段落を重視する

文章理解の問題文は、論説文や評論文が多く使われます。これらの文章では、最終段落に筆者の結論や主張のまとめが置かれるのが一般的な構成です。

最終段落を先に読み、筆者の結論を把握してから全体を読むと、文章の論理構造が理解しやすくなります。

テクニック3:消去法を活用する

要旨把握問題では、正解の選択肢を直接選ぶよりも、誤りの選択肢を消去するほうが確実です。以下のパターンに該当する選択肢は消去できます。

消去すべき選択肢のパターン

パターン内容本文に記述がない内容本文にまったく言及されていない事項を含む選択肢部分的な内容にとどまるもの本文の一部分だけを述べ、全体の趣旨を反映していない選択肢因果関係のすり替え本文の因果関係を逆にしたり、別の因果関係を作り出している選択肢極端な表現「すべて」「まったく〜ない」「常に」「必ず」など、本文にない断定的表現を含む選択肢具体例を主張と混同本文中の具体例を筆者の主張そのものとして述べている選択肢

テクニック4:本文のキーワードと選択肢を照合する

本文中で繰り返し使われるキーワードや、強調されている概念は、筆者の主張の核心に関わるものです。正解の選択肢は、これらのキーワードを正確に反映しているはずです。

ただし、本文の表現をそのまま使っている選択肢が必ず正解とは限りません。言い換え表現で正解を示している場合もあれば、本文の表現をそのまま使いつつ文脈を変えている不正解の選択肢(いわゆるひっかけ)もあります。

確認問題

要旨把握問題では、「しかし」「だが」などの逆接の接続詞の前に来る内容が筆者の最終的な主張であることが多い。

○ 正しい × 誤り
解説
逆接の接続詞の後に来る内容が筆者の本当の主張であることが多いです。逆接の接続詞は「前の内容を否定・転換して後の内容へつなぐ」役割を果たすため、逆接の後に筆者が最も伝えたい主張が置かれるのが通常のパターンです。

空欄補充問題の解法テクニック

空欄補充問題は、文脈を正確に読み取り、空欄に入る語句や文を選ぶ問題です。

テクニック1:空欄の前後の文脈を精読する

空欄補充問題で最も重要なのは、空欄の直前と直後の文脈です。空欄に入る語句は、前後の文とスムーズにつながるものでなければなりません。

確認すべきポイント

  1. 空欄の直前の文: 空欄に入る語句のヒントが含まれていることが多い
  2. 空欄の直後の文: 空欄に入る語句の結果や展開が示されていることが多い
  3. 空欄を含む段落全体の論旨: 段落のテーマと整合する語句を選ぶ

テクニック2:接続詞の性質を活用する

空欄が接続詞を含む場合や、空欄の直前・直後に接続詞がある場合は、接続詞の性質から空欄に入る内容を推測できます。

接続詞空欄との関係しかし(逆接)の後に空欄前の文の内容と反対・対立する内容が入るしたがって(結論)の後に空欄前の文の内容から論理的に導かれる結論が入るたとえば(例示)の後に空欄前の抽象的な内容の具体例が入るなぜなら(理由)の後に空欄前の文の内容の理由・根拠が入る空欄の後にしかし空欄には、後の文と反対・対立する内容が入る

テクニック3:選択肢の組合せから絞り込む

空欄補充問題が「ア〜ウの組合せとして妥当なものを選べ」という形式の場合、最も判断しやすい空欄から先に検討することで、選択肢を効率的に絞り込めます。

手順

  1. 3つの空欄のうち、前後の文脈から答えが最も明確に推測できる空欄を特定する
  2. その空欄に入る語句で選択肢を絞り込む(たとえば5択を2〜3択に絞れる)
  3. 残った選択肢について、他の空欄を検討して正解を確定する

この方法を使えば、すべての空欄を同時に検討する必要がなく、効率的に正解にたどり着けます。

並べ替え問題の解法テクニック

並べ替え問題は、バラバラにされた文の断片を正しい順序に並べる問題です。文章理解の中では最も技術的なアプローチが有効な問題タイプです。

テクニック1:指示語でチェーンをつなぐ

指示語(「この」「その」「それ」「これ」「このような」など)は、直前の内容を指しています。指示語を含む断片は、指示語が指す内容を含む断片の直後に来るはずです。

手順

  1. 各断片に指示語があるかチェックする
  2. 指示語が何を指しているかを特定する
  3. 指示語が指す内容を含む断片と、指示語を含む断片をペアにする
  4. ペアを組み合わせて全体の順序を組み立てる
具体例: 断片Aに「市場経済では競争が重要である」とあり、断片Bに「この競争原理は…」とあれば、B はAの直後に来ると推測できます。

テクニック2:接続詞でつなぐ

接続詞が冒頭に来る断片は、その接続詞の性質に合致する内容の断片の後に来ます。

接続詞直前の断片との関係しかし、だが前の断片と反対・対立する内容したがって、よって前の断片から結論が導かれるまた、さらに前の断片に同種の情報を追加たとえば前の断片の具体例つまり、すなわち前の断片の言い換え一方、他方前の断片と対比される内容

テクニック3:冒頭と末尾の断片を特定する

並べ替え問題では、冒頭に来る断片末尾に来る断片を先に特定すると、全体の構成が見えやすくなります。

冒頭に来る断片の特徴

  • 話題を導入する内容(テーマの提示、問題提起)
  • 指示語を含まない(前に指す対象がないため)
  • 「そもそも」「一般的に」「近年」などの導入表現で始まる

末尾に来る断片の特徴

  • 結論や筆者の主張をまとめる内容
  • 「したがって」「以上のことから」「このように」などの結論表現で始まる
  • 後の展開を予想させるような内容を含まない

テクニック4:選択肢を活用する

並べ替え問題の選択肢は、5つの順序パターンが提示されています。すべての断片の順序を自力で決定する必要はなく、選択肢のパターンから絞り込むことができます。

手順

  1. 冒頭の断片を推定し、選択肢を絞り込む(たとえば5択を2〜3択に)
  2. 確実につながるペアを見つけ、さらに絞り込む
  3. 残った選択肢を通して読み、最も自然な流れのものを選ぶ
確認問題

並べ替え問題において、「この」「その」などの指示語を含む断片は、文章の冒頭に来ることが多い。

○ 正しい × 誤り
解説
指示語は直前の内容を指すため、指示語を含む断片は文章の冒頭には来ません。冒頭の断片は、指示語を含まない(前に指す対象がないため)のが通常です。指示語を含む断片は、その指示語が指す内容を含む断片の直後に配置されます。

時間配分の戦略

文章理解に充てるべき時間

行政書士試験の試験時間は180分(3時間)で、出題は60問です。単純計算で1問3分ですが、文章理解は読解に時間がかかるため、他の問題よりも多めに時間を確保すべきです。

項目推奨時間文章理解1問あたり7〜8分文章理解3問合計21〜24分

解く順番の戦略

文章理解は試験の後半(問題59〜61付近)に配置されていますが、試験開始後の早い段階で解くことを推奨します。その理由は以下のとおりです。

  1. 集中力が高い時間帯に取り組む: 文章理解は集中力を要する問題であり、試験終盤の疲れた状態では正確な読解が難しくなる
  2. 確実な得点を先に確保する: 足切り対策として重要な文章理解を先に片付けることで、精神的な余裕が生まれる
  3. 時間不足のリスクを避ける: 試験終盤に時間が足りなくなり、文章理解を焦って解くことを防ぐ
推奨: 試験開始後、法令科目に取り掛かる前に、まず文章理解の3問を解きましょう。20〜25分程度を使って丁寧に解答した後、残り155〜160分で法令科目57問に取り組む方法が効果的です。

日常的な練習法

文章理解の力を鍛える方法

文章理解は、テクニックだけでなく基礎的な読解力も求められます。日常的に以下の練習を行うことで、読解力を向上させることができます。

練習法1:過去問を繰り返し解く

行政書士試験の文章理解の過去問は、出題パターンが安定しているため、繰り返し解くことで解法を体に染み込ませることができます。最低でも過去10年分の文章理解を2〜3周解きましょう。

練習法2:公務員試験の文章理解を活用する

行政書士試験の文章理解は出題数が3問と少ないため、演習量が不足しがちです。公務員試験(国家一般職・地方上級)の文章理解は、行政書士試験と類似した出題形式であるため、追加の演習素材として最適です。

練習法3:新聞社説の要約練習

新聞の社説を200字程度に要約する練習は、要旨把握の力を鍛えるのに効果的です。社説は論説文の構造(問題提起→論証→結論)を典型的に備えているため、文章構造を把握する訓練になります。

練習法4:接続詞を意識した精読

日常の読書や新聞記事を読む際に、接続詞に意識を向ける習慣をつけましょう。「しかし」の後に筆者の主張が来ているか、「たとえば」の後に具体例が示されているかなど、接続詞と文章構造の関係を実際の文章で確認する練習です。

確認問題

行政書士試験の文章理解は、試験時間の後半に配置されているため、試験の終盤に解くのが最適な戦略である。

○ 正しい × 誤り
解説
文章理解は集中力を要する問題であるため、試験開始後の早い段階(集中力が高い時間帯)に解くことが推奨されます。試験終盤に解くと、疲労による集中力低下や時間不足のリスクがあり、本来得点できる問題を落としてしまう危険があります。

試験対策のまとめ

各問題タイプの攻略法一覧

問題タイプ最重要テクニック注意点要旨把握逆接の接続詞の後に注目、最終段落重視、消去法具体例と主張を混同しない空欄補充空欄前後の文脈精読、接続詞の性質活用最も判断しやすい空欄から先に検討並べ替え指示語と接続詞でチェーン、冒頭・末尾の特定選択肢パターンを活用して絞り込む

文章理解3問全問正解のために

  1. テクニックを身につける: 本記事で紹介した接続詞の活用、消去法、指示語のチェーンなどを理解し実践する
  2. 過去問で演習する: 行政書士試験の過去問を繰り返し解き、出題パターンに慣れる
  3. 時間配分を守る: 1問7〜8分を目安に、丁寧かつ確実に解く
  4. 試験の序盤に解く: 集中力の高い時間帯に取り組み、確実な得点を先に確保する
  5. 日常的に読解力を鍛える: 新聞社説の要約、公務員試験の問題集など、継続的な練習を行う

文章理解は、正しい方法で対策すれば安定して得点できる分野です。一般知識等の足切りを確実にクリアするため、3問全問正解を目標に練習を積み重ねましょう。

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