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一般知識の足切り対策|行政書士試験で確実に6問取る方法

行政書士試験の一般知識等(14問56点)で足切り(6問24点以上)を確実に突破する方法を解説。情報通信・個人情報保護・文章理解の安定得点源を中心に戦略を紹介します。

はじめに|一般知識は「足切り突破」が最優先目標

行政書士試験には、法令科目とは別に「一般知識等」という科目が存在します。法令科目で十分な得点を取っていても、一般知識等で基準点(足切りライン)を下回ると不合格になります。

毎年、法令科目は合格ラインに達しているのに一般知識の足切りで涙を飲む受験生が少なくありません。この科目は、「高得点を狙う」のではなく「足切りを確実に突破する」という守りの戦略が重要です。

本記事では、一般知識等で確実に6問以上を正解するための具体的な学習戦略と解法テクニックを解説します。

一般知識等の出題構成と配点

出題の全体像

一般知識等は14問出題され、1問4点の合計56点です。出題分野は以下の三つに分かれます。

出題分野問題数(目安)配点(目安)政治・経済・社会7問程度28点程度情報通信・個人情報保護4問程度16点程度文章理解3問12点合計14問56点

問題数の配分は年度によって若干変動しますが、文章理解は例年3問で安定しています。

足切り基準を正確に理解する

行政書士試験の合格基準は以下の三つをすべて満たすことです。

  1. 法令科目: 244点満点中122点以上(50%以上)
  2. 一般知識等: 56点満点中24点以上(約43%以上)
  3. 全体: 300点満点中180点以上(60%以上)

つまり、一般知識等では14問中6問以上の正解が必須です。5問以下では、法令科目が満点であっても不合格となります。

一般知識等の足切りラインは「14問中6問正解(24点)」です。7問取れれば安全圏、8問以上で十分です。逆に言えば、8問(32点)も間違えてよいのです。

確実に取れる問題から攻める戦略

戦略の全体像

一般知識等の14問のうち、分野ごとの難易度と得点のしやすさは大きく異なります。「確実に取れる分野」から固めていく戦略が有効です。

分野目標正答数難易度学習の費用対効果文章理解(3問)3問全問正解安定しやすい極めて高い情報通信・個人情報保護(4問程度)2~3問法律ベースで対応可能高い政治・経済・社会(7問程度)1~2問範囲が広く不安定低い合計6~8問--

この戦略のポイントは明確です。

  • 文章理解3問を全問正解する: ここが最も安定した得点源
  • 情報通信・個人情報保護で2~3問取る: 法律の知識で対応できるため学習効果が高い
  • 政治経済社会は1~2問取れれば十分: 深追いせず、常識で解ける問題を拾う

文章理解3問と情報通信2問で合計5問。あとは政治経済社会で1問取れば足切りクリアです。

文章理解の解法テクニック|3問全問正解を目指す

文章理解は、行政書士試験の一般知識等において最も安定した得点源です。出題形式は大きく3パターンあります。

1. 要旨把握問題のアプローチ

要旨把握問題は、文章全体の主旨を把握する問題です。以下の手順で解きましょう。

ステップ1: 最終段落(結論部分)を先に読む

筆者の主張は多くの場合、文章の最後にまとめられています。最終段落を先に読むことで、文章全体の方向性をつかめます。

ステップ2: 各段落の要点を把握する

各段落の冒頭文(トピックセンテンス)に注目します。「しかし」「つまり」「したがって」などの接続詞は、筆者の主張の転換点や結論を示す重要なサインです。

ステップ3: 選択肢を吟味する

  • 本文に書かれていない内容を含む選択肢は不正解
  • 本文の一部だけを切り取った選択肢は不正解の可能性が高い
  • 筆者の主張と一致する「最も適切な」選択肢を選ぶ

2. 空欄補充のテクニック

空欄補充問題は、文章中の空欄に入る適切な語句や文を選ぶ問題です。

ポイント1: 空欄の前後の文脈を精読する

空欄の直前・直後の文をよく読み、論理的なつながりを把握します。特に接続詞に注目しましょう。

接続詞の種類接続詞の例前後の関係順接したがって、そこで、だから前の内容が原因、後が結果逆接しかし、ところが、だが前と後で内容が逆転換言つまり、すなわち、要するに前の内容を言い換え添加また、さらに、そのうえ前の内容に情報を追加対比一方、他方、これに対して二つの内容を対比

ポイント2: 選択肢を空欄に入れて通読する

候補となる選択肢を実際に空欄に入れて文章を通読し、前後の文脈と矛盾がないか確認します。

3. 並べ替え問題の解き方

並べ替え問題は、バラバラにされた文を正しい順番に並べる問題です。

ステップ1: 指示語と接続詞に注目する

  • 「この」「その」「これ」などの指示語は、前の文の内容を受けるため、文の順序を特定する手がかりになる
  • 「しかし」は前に対立する内容が必要。「したがって」は前に原因・理由が必要

ステップ2: 確実なペアを見つける

全体の順番を一度に決めようとするのではなく、確実につながる2文のペアをまず見つけます。

ステップ3: 先頭と末尾を特定する

  • 先頭に来やすい文: 話題を提示する文、一般論を述べる文
  • 末尾に来やすい文: 結論を述べる文、「したがって」「このように」で始まる文

文章理解の演習方法

  • 毎日1問ずつ解く習慣をつける: 公務員試験の文章理解問題集が練習に最適
  • 時間を計って解く: 1問あたり5~7分が目安
  • 解説を必ず読む: なぜその選択肢が正解なのか、論理的な根拠を確認する
確認問題

行政書士試験の文章理解問題では、要旨把握問題を解く際に本文の最終段落を先に読む方法は効果的でない。

○ 正しい × 誤り
解説
要旨把握問題では、筆者の主張が文章の最後にまとめられることが多いため、最終段落を先に読む方法は有効なテクニックです。結論を先に把握することで文章全体の方向性をつかみやすくなり、選択肢の吟味が効率的になります。

情報通信・個人情報保護の学習法|安定得点源を築く

情報通信・個人情報保護の分野は、法律や制度に基づいた出題が多いため、法令科目と同じアプローチで学習できます。一般知識等の中で最も学習の費用対効果が高い分野です。

個人情報保護法の重要条文

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)は、2021年(令和3年)改正により官民一元化が実現し、行政機関個人情報保護法と独立行政法人等個人情報保護法が個人情報保護法に統合されました。

以下の重要概念を押さえましょう。

基本用語の定義

用語定義のポイント個人情報生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの(氏名、生年月日等)、または個人識別符号が含まれるもの個人識別符号指紋データ、顔認識データ、マイナンバー等要配慮個人情報人種、信条、病歴、犯罪歴等、本人に対する不当な差別・偏見が生じないよう取扱いに特に配慮を要する情報個人情報データベース等個人情報を含む情報の集合物で、特定の個人情報をコンピュータ等で検索できるように体系的に構成したもの個人データ個人情報データベース等を構成する個人情報保有個人データ個人情報取扱事業者が開示・訂正・利用停止等の権限を有する個人データ

個人情報取扱事業者の義務

  • 利用目的の特定(第17条): できる限り特定しなければならない
  • 利用目的による制限(第18条): あらかじめ本人の同意を得ないで目的外利用をしてはならない
  • 適正な取得(第20条): 偽りその他不正の手段により取得してはならない
  • 要配慮個人情報の取得制限(第20条2項): あらかじめ本人の同意が原則必要
  • 安全管理措置(第23条): 漏えい等の防止のため必要かつ適切な措置を講じなければならない
  • 第三者提供の制限(第27条): あらかじめ本人の同意が原則必要。オプトアウト手続による例外あり
  • 保有個人データに関する本人の権利: 開示請求権、訂正等請求権、利用停止等請求権

個人情報保護委員会

2016年1月に設置された独立行政委員会で、個人情報保護法の施行を一元的に所管しています。内閣府の外局として設置され、独立してその職権を行使します。

IT用語の基礎知識

情報通信分野では、IT用語に関する基礎知識も問われます。以下の用語は最低限押さえておきましょう。

  • IoT(Internet of Things): モノのインターネット。家電、自動車、センサーなどがインターネットに接続される仕組み
  • AI(人工知能): 機械学習、ディープラーニング、生成AI
  • ブロックチェーン: 分散型台帳技術。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術
  • クラウドコンピューティング: SaaS、PaaS、IaaS の違い
  • サイバーセキュリティ: 不正アクセス禁止法、マルウェア、フィッシング
  • 不正アクセス禁止法: 他人のID・パスワードを無断で使用してコンピュータにアクセスする行為等を禁止
  • 電子署名法: 電子署名の法的効力を認めた法律。本人による電子署名がある電磁的記録は真正に成立したものと推定
  • マイナンバー制度: 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)
  • デジタル社会形成基本法: 2021年施行。デジタル庁の設置根拠となった法律
確認問題

個人情報保護法における「個人情報」とは、生存する個人に関する情報に限られ、死者の情報は含まれない。

○ 正しい × 誤り
解説
個人情報保護法第2条1項は、個人情報を「生存する個人に関する情報」と定義しています。したがって、死者に関する情報は原則として個人情報保護法の保護対象外です。ただし、死者の情報が同時に生存する遺族の個人情報にも該当する場合は、その遺族の個人情報として保護の対象となります。

政治・経済・社会の効率的な対策

深追いは禁物

政治・経済・社会は出題範囲が極めて広く、時事問題も含まれるため、完璧な対策は不可能です。この分野に多くの時間を費やすのは非効率です。

最低限押さえるべきテーマ

以下のテーマは比較的出題頻度が高く、対策がしやすいものです。

政治分野

  • 選挙制度(衆議院と参議院の選挙制度の違い)
  • 政党制度と政党助成法
  • 国際機関(国連、WTO、EU、ASEAN等)の基本知識
  • 日本の安全保障政策の基礎

経済分野

  • 財政の基礎知識(国の予算、国債残高、プライマリーバランス)
  • 金融政策の基礎(日銀の役割、金融緩和・引締め)
  • 経済指標(GDP、消費者物価指数、完全失業率)

社会分野

  • 少子高齢化と社会保障制度
  • 労働法制の基礎(働き方改革関連法)
  • 環境問題(SDGs、パリ協定、カーボンニュートラル)

対策の方法

  • ニュースを日常的にチェックする: 新聞やニュースアプリで主要なニュースを把握する習慣をつける
  • 時事対策本を1冊読む: 試験前年の秋~冬に発行される時事対策本が効率的
  • 過去問で出題パターンを把握する: どのようなテーマが問われやすいかを知る
  • 深追いしない: この分野の学習時間は全体の5~10%以内に抑える

時間配分|一般知識は先に解く戦略

なぜ先に解くのか

行政書士試験は3時間(180分)の試験ですが、全60問をこなすには時間配分が重要です。一般知識等を先に解く戦略には以下のメリットがあります。

  1. 文章理解に十分な時間を確保できる: 文章理解は焦ると正答率が下がるため、頭がフレッシュな段階で解くのが有利
  2. 足切りの不安を早期に解消できる: 一般知識の手応えがわかることで、法令科目に集中できる
  3. 法令科目の記述式に時間を残せる: 記述式は配点が高く、時間をかける価値がある

推奨する時間配分

解答順科目・分野目安時間備考1文章理解(3問)15~20分最初に解いて確実に3問正解を狙う2一般知識その他(11問)15~20分情報通信を丁寧に、政経は素早く3法令択一式(40問)80~90分1問あたり2分程度4多肢選択式(3問)15分判旨のキーフレーズを思い出す5記述式(3問)30~40分残り時間をすべて使い、丁寧に書く

一般知識で迷ったときのルール

  • 文章理解は必ず時間をかける: 1問5~7分は使ってよい。正答率を最大化する
  • 政治経済社会でわからない問題は即座にマークして次へ進む: 悩んでも正答率は上がらない
  • 情報通信・個人情報保護は法律知識で解けるので丁寧に: 条文知識があれば確実に得点できる

一般知識の学習スケジュール

学習開始時期と配分

一般知識等の学習は、法令科目の基盤ができてから本格的に始めるのが効率的です。

時期学習内容割合学習開始~6か月前法令科目に集中。一般知識は文章理解の週1問程度5%6か月前~3か月前個人情報保護法の条文学習開始。文章理解の演習継続10%3か月前~1か月前IT用語の整理。政治経済の時事対策開始15%直前1か月過去問演習と時事対策の仕上げ10%

おすすめの教材

  • 文章理解: 公務員試験用の文章理解問題集(行政書士試験の3問だけでは演習量が不足するため)
  • 個人情報保護法: 行政書士試験用テキストの該当章+条文素読
  • 情報通信: ITパスポート試験のテキストを軽く読む(基礎的なIT用語の理解に有効)
  • 政治経済社会: 試験年度版の時事対策本1冊

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1: 政治経済に時間をかけすぎる

政治・経済・社会の範囲は無限に広がります。この分野に何百時間かけても、出題される問題を的中させることは困難です。「7問中1~2問取れればよい」と割り切り、法令科目の学習時間を確保しましょう。

失敗パターン2: 文章理解の練習をしない

「日本語だから対策不要」と考える受験生がいますが、これは危険です。文章理解は「読めば解ける」のではなく、解法パターンを身につけることで正答率が安定します。週1~2問の演習を継続することが重要です。

失敗パターン3: 個人情報保護法を後回しにする

個人情報保護法は法律ですから、法令科目と同じ方法で学習できます。条文を読み、過去問を解くだけで安定して得点できる分野です。にもかかわらず「一般知識だから後回し」にしてしまうと、直前期に慌てることになります。早めに着手しましょう。

失敗パターン4: 試験当日に一般知識を最後に解く

3時間の試験の終盤は疲労とプレッシャーで集中力が低下します。その状態で文章理解を解くと正答率が下がります。一般知識等、特に文章理解は試験開始直後の集中力が高い時間帯に解くことを強くおすすめします。

確認問題

行政書士試験の一般知識等(基礎知識等)の足切りラインは、14問中7問以上の正解(28点以上)である。

○ 正しい × 誤り
解説
一般知識等の足切りラインは14問中6問以上の正解(24点以上)です。7問ではなく6問が基準点です。56点満点の約43%にあたります。法令科目で十分な得点を取っていても、一般知識等で24点未満の場合は不合格となります。

まとめ|足切りを恐れず、戦略的に突破する

一般知識等の足切り対策は、以下の3つの原則に集約されます。

原則1: 文章理解3問を全問正解する

文章理解は最も安定した得点源です。解法テクニック(要旨把握・空欄補充・並べ替え)を身につけ、日常的に演習を積むことで、3問全問正解を目指しましょう。ここで3問取れれば、残り11問中3問の正解で足切りクリアです。

原則2: 情報通信・個人情報保護で2~3問取る

個人情報保護法を中心に、法律ベースで対策できる分野を確実に固めます。個人情報保護法の重要条文、IT関連の基本用語、電子署名法やマイナンバー制度などの制度知識を整理しておきましょう。

原則3: 政治経済社会は深追いしない

範囲が広く出題予測が困難な分野です。時事対策本を1冊読む程度にとどめ、浮いた時間を法令科目(特に行政法・民法)の学習に充てるのが合格への最短ルートです。

一般知識等は「守り」の科目です。高得点を目指す必要はなく、足切りラインを確実に超えることだけに集中しましょう。文章理解3問+情報通信2問+政経1問の合計6問で24点を確保し、法令科目で合格点を積み上げる。これが行政書士試験合格の王道戦略です。

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