(公開 2025/12/14) / 一般知識

一般知識の足切り対策|行政書士試験で確実に6問取る方法

行政書士試験の一般知識等(14問56点)で足切り(6問24点以上)を確実に突破する方法を解説。情報通信・個人情報保護・文章理解の安定得点源を中心に戦略を紹介します。

はじめに|一般知識は「足切り突破」が最優先目標

行政書士試験には、法令科目とは別に「一般知識等」という科目が存在します。法令科目で十分な得点を取っていても、一般知識等で基準点(足切りライン)を下回ると不合格になります。

毎年、法令科目は合格ラインに達しているのに一般知識の足切りで涙を飲む受験生が少なくありません。この科目は、「高得点を狙う」のではなく「足切りを確実に突破する」という守りの戦略が重要です。

本記事では、一般知識等で確実に6問以上を正解するための具体的な学習戦略と解法テクニックを解説します。検索意図として多い「足切りは何問か」「対策は何をすればいいか」という疑問に、結論から先に答えておきます。

  • 足切りライン: 14問中6問(24点)以上で突破。これを下回ると法令科目が満点でも不合格。
  • 最優先で固める分野: 文章理解(3問)と情報通信・個人情報保護(4問程度)。法律・論理で安定して取れる。
  • 割り切る分野: 政治・経済・社会は範囲が無限大。1〜2問取れれば十分と考え、深追いしない。

つまり「文章理解3問+情報通信・個人情報保護2〜3問+政経1問」で6問を組み立てるのが王道です。以下、その設計図を分野別に詳述します。

一般知識等の出題構成と配点

出題の全体像

一般知識等は14問出題され、1問4点の合計56点です。出題分野は以下の三つに分かれます。

出題分野問題数(目安)配点(目安)政治・経済・社会7問程度28点程度情報通信・個人情報保護4問程度16点程度文章理解3問12点合計14問56点

問題数の配分は年度によって若干変動しますが、文章理解は例年3問で安定しています。

令和6年度(2024年度)の制度変更に注意

行政書士試験は令和6年度から試験科目の名称・範囲が一部変更されました。従来の「行政書士の業務に関し必要な一般知識等」は、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へと名称が改められ、出題範囲に「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」が明示的に加わったとされています。

ポイントは次のとおりです。

  • 名称が「一般知識等」から「基礎知識」へ変更(実務上は引き続き「一般知識」と呼ばれることが多い)。
  • 出題分野として、従来の「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」に加え、行政書士法など行政書士業務に密接に関連する諸法令が問われ得る。
  • 一方で、14問・56点・基準点(足切り)は24点以上(6問)という枠組み自体は維持されている。

したがって本記事の「6問取る」という目標値・戦略は引き続き有効です。新たに加わった「諸法令(行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法など)」は、条文ベースで対策できる得点源として、むしろチャンスと捉えるべき分野です。後半で要点を整理します。

足切り基準を正確に理解する

行政書士試験の合格基準は以下の三つをすべて満たすことです。

  1. 法令科目: 244点満点中122点以上(50%以上)
  2. 一般知識等: 56点満点中24点以上(約43%以上)
  3. 全体: 300点満点中180点以上(60%以上)

つまり、一般知識等では14問中6問以上の正解が必須です。5問以下では、法令科目が満点であっても不合格となります。

一般知識等の足切りラインは「14問中6問正解(24点)」です。7問取れれば安全圏、8問以上で十分です。逆に言えば、8問(32点)も間違えてよいのです。

「足切り」という言葉は法令上の用語ではなく、合格基準を満たさないことを指す受験界の俗称です。条文(行政書士法施行規則)上は、合格基準点が試験委員会で定められ、官報・公式サイトで公表される仕組みになっています。基準点(6問)は近年安定しており、年度による変動は基本的にありません。

「6問取れずに落ちる」のはなぜ起きるのか

足切りで不合格になる典型例は、次の3つの思い込みから生じます。

  • 「日本語の問題(文章理解)だから対策不要」: 解法を学ばずに本番で時間切れになり、3問落とす。
  • 「政治経済を勉強すれば点が伸びる」: 範囲が広すぎて費用対効果が悪く、肝心の取れる分野が手薄に。
  • 「一般知識は最後でいい」: 試験終盤の疲労で文章理解の正答率が崩れる。

足切り突破の本質は「努力量」ではなく「どの分野に時間を割くかの配分設計」です。次章でその配分を具体化します。

確実に取れる問題から攻める戦略

戦略の全体像

一般知識等の14問のうち、分野ごとの難易度と得点のしやすさは大きく異なります。「確実に取れる分野」から固めていく戦略が有効です。

分野目標正答数難易度学習の費用対効果文章理解(3問)3問全問正解安定しやすい極めて高い情報通信・個人情報保護(4問程度)2~3問法律ベースで対応可能高い政治・経済・社会(7問程度)1~2問範囲が広く不安定低い合計6~8問--

この戦略のポイントは明確です。

  • 文章理解3問を全問正解する: ここが最も安定した得点源
  • 情報通信・個人情報保護で2~3問取る: 法律の知識で対応できるため学習効果が高い
  • 政治経済社会は1~2問取れれば十分: 深追いせず、常識で解ける問題を拾う

文章理解3問と情報通信2問で合計5問。あとは政治経済社会で1問取れば足切りクリアです。

得点設計を「最低ライン」と「安全ライン」で持つ

本番では予定どおりに取れないリスクがあります。そこで、目標を2段階で設計しておくと精神的に崩れません。

シナリオ文章理解情報通信・個人情報保護政治・経済・社会合計判定最低ライン2問2問2問6問足切り突破標準ライン3問2問1問6問足切り突破安全ライン3問3問2問8問余裕の突破

ここで重要なのは、「どの分野が崩れても他で取り返せる」よう、複数分野に得点源を分散させることです。文章理解だけに賭けると、難問が出た年に一気に崩れます。文章理解+情報通信・個人情報保護の2本柱で5問を確保し、政経の1問を上乗せするのが最も再現性の高い設計です。

文章理解の解法テクニック|3問全問正解を目指す

文章理解は、行政書士試験の一般知識等において最も安定した得点源です。出題形式は大きく3パターンあります。

1. 要旨把握問題のアプローチ

要旨把握問題は、文章全体の主旨を把握する問題です。以下の手順で解きましょう。

ステップ1: 最終段落(結論部分)を先に読む

筆者の主張は多くの場合、文章の最後にまとめられています。最終段落を先に読むことで、文章全体の方向性をつかめます。

ステップ2: 各段落の要点を把握する

各段落の冒頭文(トピックセンテンス)に注目します。「しかし」「つまり」「したがって」などの接続詞は、筆者の主張の転換点や結論を示す重要なサインです。

ステップ3: 選択肢を吟味する

  • 本文に書かれていない内容を含む選択肢は不正解
  • 本文の一部だけを切り取った選択肢は不正解の可能性が高い
  • 筆者の主張と一致する「最も適切な」選択肢を選ぶ

2. 空欄補充のテクニック

空欄補充問題は、文章中の空欄に入る適切な語句や文を選ぶ問題です。

ポイント1: 空欄の前後の文脈を精読する

空欄の直前・直後の文をよく読み、論理的なつながりを把握します。特に接続詞に注目しましょう。

接続詞の種類接続詞の例前後の関係順接したがって、そこで、だから前の内容が原因、後が結果逆接しかし、ところが、だが前と後で内容が逆転換言つまり、すなわち、要するに前の内容を言い換え添加また、さらに、そのうえ前の内容に情報を追加対比一方、他方、これに対して二つの内容を対比

ポイント2: 選択肢を空欄に入れて通読する

候補となる選択肢を実際に空欄に入れて文章を通読し、前後の文脈と矛盾がないか確認します。

3. 並べ替え問題の解き方

並べ替え問題は、バラバラにされた文を正しい順番に並べる問題です。

ステップ1: 指示語と接続詞に注目する

  • 「この」「その」「これ」などの指示語は、前の文の内容を受けるため、文の順序を特定する手がかりになる
  • 「しかし」は前に対立する内容が必要。「したがって」は前に原因・理由が必要

ステップ2: 確実なペアを見つける

全体の順番を一度に決めようとするのではなく、確実につながる2文のペアをまず見つけます。

ステップ3: 先頭と末尾を特定する

  • 先頭に来やすい文: 話題を提示する文、一般論を述べる文
  • 末尾に来やすい文: 結論を述べる文、「したがって」「このように」で始まる文

出題形式別の優先順位と時間配分

3問の文章理解は、形式によって難易度と所要時間が異なります。本番では「解きやすい形式から手をつける」のが鉄則です。

形式安定性目安時間攻略の核心並べ替え高い(消去法が効く)4~6分指示語・接続詞で「つながらないペア」を消す空欄補充高い4~5分空欄前後の論理関係を確定させる要旨把握やや低い(読解量が多い)5~7分結論段落→各段落トピックの順で読む

並べ替えと空欄補充は、消去法で2択まで絞れば正答率が大きく上がる形式です。選択肢どうしを比較し、明確に矛盾するものから切っていくと、内容を完全に理解しなくても正解にたどり着けます。

過去問で問われる典型的な「ひっかけ」

文章理解で正解を逃す原因の多くは、読解力ではなく選択肢の処理ミスです。次の3パターンは頻出です。

  • 言い過ぎ(過度の一般化): 本文が「〜の場合がある」と限定しているのに、選択肢が「常に〜である」と断定。
  • すり替え(主語・対象のずれ): 本文の主張の主体や対象を別物に置き換えている。
  • 本文にない因果: それぞれの事実は本文にあるが、「だから」という因果関係は本文が述べていない。

「本文に書いてあるか」だけでなく「本文と同じ強さ・同じ関係で書いてあるか」まで確認する癖をつけると、最後の2択を高確率で正解できます。

文章理解の演習方法

  • 毎日1問ずつ解く習慣をつける: 公務員試験の文章理解問題集が練習に最適
  • 時間を計って解く: 1問あたり5~7分が目安
  • 解説を必ず読む: なぜその選択肢が正解なのか、論理的な根拠を確認する
  • 誤答の選択肢も分析する: 「なぜ誤りか」を上記のひっかけパターンに当てはめて言語化する
確認問題

行政書士試験の文章理解問題では、要旨把握問題を解く際に本文の最終段落を先に読む方法は効果的でない。

○ 正しい × 誤り
解説
要旨把握問題では、筆者の主張が文章の最後にまとめられることが多いため、最終段落を先に読む方法は有効なテクニックです。結論を先に把握することで文章全体の方向性をつかみやすくなり、選択肢の吟味が効率的になります。

情報通信・個人情報保護の学習法|安定得点源を築く

情報通信・個人情報保護の分野は、法律や制度に基づいた出題が多いため、法令科目と同じアプローチで学習できます。一般知識等の中で最も学習の費用対効果が高い分野です。

個人情報保護法の重要条文

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)は、2021年(令和3年)改正により官民一元化が実現し、行政機関個人情報保護法と独立行政法人等個人情報保護法が個人情報保護法に統合されました。

以下の重要概念を押さえましょう。

基本用語の定義

用語定義のポイント個人情報生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるもの(氏名、生年月日等)、または個人識別符号が含まれるもの個人識別符号指紋データ、顔認識データ、マイナンバー等要配慮個人情報人種、信条、病歴、犯罪歴等、本人に対する不当な差別・偏見が生じないよう取扱いに特に配慮を要する情報個人情報データベース等個人情報を含む情報の集合物で、特定の個人情報をコンピュータ等で検索できるように体系的に構成したもの個人データ個人情報データベース等を構成する個人情報保有個人データ個人情報取扱事業者が開示・訂正・利用停止等の権限を有する個人データ

「個人情報」の定義は条文上、次のように規定されています。

この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等…により特定の個人を識別することができるもの…二 個人識別符号が含まれるもの
― 個人情報の保護に関する法律 第2条第1項

ここで頻出の出題ポイントは「生存する個人」という限定です。死者の情報は原則として同法の保護対象外であり、この一点を狙った正誤問題が繰り返し出題されています。

個人情報取扱事業者の義務

  • 利用目的の特定(第17条): できる限り特定しなければならない
  • 利用目的による制限(第18条): あらかじめ本人の同意を得ないで目的外利用をしてはならない
  • 適正な取得(第20条): 偽りその他不正の手段により取得してはならない
  • 要配慮個人情報の取得制限(第20条2項): あらかじめ本人の同意が原則必要
  • 安全管理措置(第23条): 漏えい等の防止のため必要かつ適切な措置を講じなければならない
  • 第三者提供の制限(第27条): あらかじめ本人の同意が原則必要。オプトアウト手続による例外あり
  • 保有個人データに関する本人の権利: 開示請求権、訂正等請求権、利用停止等請求権

出題されやすい「例外・ひっかけ」を押さえる

個人情報保護法は、原則を覚えただけでは足切り突破に直結しません。試験では「原則の例外」が狙われます。代表的な論点を整理します。

論点原則試験で問われる例外・注意点第三者提供(第27条)本人同意が必要法令に基づく場合、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人同意取得が困難な場合等は同意不要。委託・事業承継・共同利用は「第三者」に当たらないオプトアウト一定事項の通知・届出で同意なく提供可要配慮個人情報はオプトアウトでの提供は不可(必ず本人同意が必要)利用目的の変更関連性を有すると合理的に認められる範囲で可範囲を超える変更は本人同意が必要開示請求本人は保有個人データの開示を請求できる開示で本人・第三者の生命等を害するおそれ等がある場合は全部または一部を開示しないことができる

特に「要配慮個人情報はオプトアウトでの第三者提供ができない」という点は、近年の出題で問われやすい論点です。あわせて、第三者提供の「委託・事業承継・共同利用」が第三者に該当しない(=本人同意不要で提供可能)という整理も頻出です。

個人情報保護委員会

2016年1月に設置された独立行政委員会で、個人情報保護法の施行を一元的に所管しています。内閣府の外局として設置され、独立してその職権を行使します。

出題上は、次の点が問われやすい論点です。

  • 個人情報取扱事業者に対する報告徴収・立入検査・指導助言・勧告・命令の権限を持つ。
  • 命令違反等には罰則が科され得る。
  • 2021年改正による官民一元化後は、行政機関等に対する監視・監督も担う。

行政機関等に関する規律(官民一元化後)

2021年改正で行政機関・独立行政法人等も同法の規律対象に統合されました。民間部門と用語が一部異なる点が出題されることがあります。

  • 行政機関等が保有する情報は「保有個人情報」と呼ばれる(民間の「保有個人データ」と用語が異なる)。
  • 行政機関等が個人情報を保有するときは、利用目的をできる限り特定しなければならない。
  • 本人は行政機関等に対し、自己を本人とする保有個人情報の開示・訂正・利用停止を請求できる。

民間部門と行政部門で「用語の違い・手続の違い」を対比して整理しておくと、横断的な出題に対応できます。

IT用語の基礎知識

情報通信分野では、IT用語に関する基礎知識も問われます。以下の用語は最低限押さえておきましょう。

  • IoT(Internet of Things): モノのインターネット。家電、自動車、センサーなどがインターネットに接続される仕組み
  • AI(人工知能): 機械学習、ディープラーニング、生成AI
  • ブロックチェーン: 分散型台帳技術。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術
  • クラウドコンピューティング: SaaS、PaaS、IaaS の違い
  • サイバーセキュリティ: 不正アクセス禁止法、マルウェア、フィッシング
  • 不正アクセス禁止法: 他人のID・パスワードを無断で使用してコンピュータにアクセスする行為等を禁止
  • 電子署名法: 電子署名の法的効力を認めた法律。本人による電子署名がある電磁的記録は真正に成立したものと推定
  • マイナンバー制度: 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)
  • デジタル社会形成基本法: 2021年施行。デジタル庁の設置根拠となった法律

情報通信関連法令の出題ポイント

IT用語の語句問題に加え、制度・法律の知識が正誤問題として問われます。次の論点は得点しやすいので確実に押さえましょう。

法律・制度押さえるべき出題ポイント電子署名法本人による一定の電子署名がある電磁的記録は、真正に成立したものと推定される(民事訴訟法の文書の成立の真正に相当)不正アクセス禁止法他人のID・パスワードの無断使用やセキュリティホールを突く不正アクセス行為、識別符号の不正取得・提供を禁止番号法(マイナンバー法)利用範囲は社会保障・税・災害対策の3分野が基本。目的外の収集・保管を厳しく制限プロバイダ責任制限法発信者情報開示請求の制度。改正により裁判手続が新設された点が論点デジタル社会形成基本法2021年施行。デジタル庁設置の根拠。旧IT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)を廃止して整備

これらは「条文の細部」ではなく「制度の趣旨と適用範囲」を問う出題が中心です。たとえばマイナンバーであれば「使える3分野はどれか」、電子署名であれば「真正な成立の推定が働くか」という切り口を押さえれば、知らない選択肢があっても消去法で正解できます。

確認問題

個人情報保護法における「個人情報」とは、生存する個人に関する情報に限られ、死者の情報は含まれない。

○ 正しい × 誤り
解説
個人情報保護法第2条1項は、個人情報を「生存する個人に関する情報」と定義しています。したがって、死者に関する情報は原則として個人情報保護法の保護対象外です。ただし、死者の情報が同時に生存する遺族の個人情報にも該当する場合は、その遺族の個人情報として保護の対象となります。
確認問題

要配慮個人情報は、オプトアウトの手続によって本人の同意を得ることなく第三者に提供することができる。

○ 正しい × 誤り
解説
個人情報保護法では、要配慮個人情報の第三者提供についてオプトアウトの方法は認められていません。要配慮個人情報を第三者に提供するには、原則として、あらかじめ本人の同意を得る必要があります(法令に基づく場合等の例外を除く)。「要配慮個人情報はオプトアウト不可」は頻出の論点です。

行政書士法等「諸法令」の対策(令和6年度以降)

令和6年度から「行政書士業務と密接に関連する諸法令」が出題範囲に明示されました。ここは条文・制度ベースで対策でき、しかも行政書士法は受験生が実務でも触れる馴染みやすい分野です。情報通信・個人情報保護と同じく「法律で取る」得点源として位置づけられます。

行政書士法の頻出ポイント

項目押さえるべき内容業務独占官公署に提出する書類等の作成は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、行政書士でない者は業として行えない独占の例外弁護士・弁理士・税理士・社会保険労務士など、他士業法で定められた業務はその士業が行う登録行政書士となるには、行政書士名簿への登録が必要。登録は日本行政書士会連合会が行う義務依頼に応ずる義務、業務取扱の順序・予定、秘密を守る義務、報酬額の掲示、領収証の発行 など行政書士法人行政書士法人の設立が認められている

特に「他の士業の独占業務は行政書士は扱えない」という線引きと、「秘密を守る義務(守秘義務)」は出題されやすい論点です。守秘義務は行政書士でなくなった後も及ぶ点に注意が必要です。

あわせて押さえたい関連法令

  • 戸籍法・住民基本台帳法: 行政書士が職務上請求を行う場面に関連。住民票・戸籍の記載事項や交付請求の基本。
  • 行政手続法・行政不服審査法との接点: 行政書士業務(許認可申請等)は行政手続法の適用場面と重なる。法令科目の学習がそのまま活きる。

このように、諸法令は法令科目の学習と地続きです。新設分野だからと身構える必要はなく、条文の基本を1〜2問分押さえれば足切りの厚みになると捉えましょう。

政治・経済・社会の効率的な対策

深追いは禁物

政治・経済・社会は出題範囲が極めて広く、時事問題も含まれるため、完璧な対策は不可能です。この分野に多くの時間を費やすのは非効率です。

最低限押さえるべきテーマ

以下のテーマは比較的出題頻度が高く、対策がしやすいものです。

政治分野

  • 選挙制度(衆議院と参議院の選挙制度の違い)
  • 政党制度と政党助成法
  • 国際機関(国連、WTO、EU、ASEAN等)の基本知識
  • 日本の安全保障政策の基礎

経済分野

  • 財政の基礎知識(国の予算、国債残高、プライマリーバランス)
  • 金融政策の基礎(日銀の役割、金融緩和・引締め)
  • 経済指標(GDP、消費者物価指数、完全失業率)

社会分野

  • 少子高齢化と社会保障制度
  • 労働法制の基礎(働き方改革関連法)
  • 環境問題(SDGs、パリ協定、カーボンニュートラル)

「制度の仕組み系」は取りに行く、「時事の細部」は捨てる

政経社の中でも、得点しやすい問題と捨ててよい問題があります。次の基準で見極めましょう。

取りに行く(制度・仕組み系)捨ててよい(細部・流動的)選挙制度(小選挙区比例代表並立制等)の仕組みその年の特定の選挙結果・議席数社会保障制度(年金・医療・介護の枠組み)個別の統計値の最新数字の暗記財政・金融の基本概念(プライマリーバランス等)直近四半期のGDP成長率の細かい数値

制度の「仕組み」は毎年大きく変わらず、過去問の蓄積が効きます。一方、特定年度の統計値や時事の細部は当てにいくとコスパが悪く、運の要素が強くなります。仕組み系で1問を確実に拾い、細部は割り切るのが正解です。

対策の方法

  • ニュースを日常的にチェックする: 新聞やニュースアプリで主要なニュースを把握する習慣をつける
  • 時事対策本を1冊読む: 試験前年の秋~冬に発行される時事対策本が効率的
  • 過去問で出題パターンを把握する: どのようなテーマが問われやすいかを知る
  • 深追いしない: この分野の学習時間は全体の5~10%以内に抑える

時間配分|一般知識は先に解く戦略

なぜ先に解くのか

行政書士試験は3時間(180分)の試験ですが、全60問をこなすには時間配分が重要です。一般知識等を先に解く戦略には以下のメリットがあります。

  1. 文章理解に十分な時間を確保できる: 文章理解は焦ると正答率が下がるため、頭がフレッシュな段階で解くのが有利
  2. 足切りの不安を早期に解消できる: 一般知識の手応えがわかることで、法令科目に集中できる
  3. 法令科目の記述式に時間を残せる: 記述式は配点が高く、時間をかける価値がある

推奨する時間配分

解答順科目・分野目安時間備考1文章理解(3問)15~20分最初に解いて確実に3問正解を狙う2一般知識その他(11問)15~20分情報通信を丁寧に、政経は素早く3法令択一式(40問)80~90分1問あたり2分程度4多肢選択式(3問)15分判旨のキーフレーズを思い出す5記述式(3問)30~40分残り時間をすべて使い、丁寧に書く

一般知識で迷ったときのルール

  • 文章理解は必ず時間をかける: 1問5~7分は使ってよい。正答率を最大化する
  • 政治経済社会でわからない問題は即座にマークして次へ進む: 悩んでも正答率は上がらない
  • 情報通信・個人情報保護は法律知識で解けるので丁寧に: 条文知識があれば確実に得点できる

一般知識の学習スケジュール

学習開始時期と配分

一般知識等の学習は、法令科目の基盤ができてから本格的に始めるのが効率的です。

時期学習内容割合学習開始~6か月前法令科目に集中。一般知識は文章理解の週1問程度5%6か月前~3か月前個人情報保護法の条文学習開始。文章理解の演習継続10%3か月前~1か月前IT用語の整理。政治経済の時事対策開始15%直前1か月過去問演習と時事対策の仕上げ10%

おすすめの教材

  • 文章理解: 公務員試験用の文章理解問題集(行政書士試験の3問だけでは演習量が不足するため)
  • 個人情報保護法: 行政書士試験用テキストの該当章+条文素読
  • 情報通信: ITパスポート試験のテキストを軽く読む(基礎的なIT用語の理解に有効)
  • 政治経済社会: 試験年度版の時事対策本1冊
  • 行政書士法等の諸法令: 行政書士法の条文素読+過去問。法令科目の行手法・行審法の学習と並行すると効率的

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1: 政治経済に時間をかけすぎる

政治・経済・社会の範囲は無限に広がります。この分野に何百時間かけても、出題される問題を的中させることは困難です。「7問中1~2問取れればよい」と割り切り、法令科目の学習時間を確保しましょう。

失敗パターン2: 文章理解の練習をしない

「日本語だから対策不要」と考える受験生がいますが、これは危険です。文章理解は「読めば解ける」のではなく、解法パターンを身につけることで正答率が安定します。週1~2問の演習を継続することが重要です。

失敗パターン3: 個人情報保護法を後回しにする

個人情報保護法は法律ですから、法令科目と同じ方法で学習できます。条文を読み、過去問を解くだけで安定して得点できる分野です。にもかかわらず「一般知識だから後回し」にしてしまうと、直前期に慌てることになります。早めに着手しましょう。

失敗パターン4: 試験当日に一般知識を最後に解く

3時間の試験の終盤は疲労とプレッシャーで集中力が低下します。その状態で文章理解を解くと正答率が下がります。一般知識等、特に文章理解は試験開始直後の集中力が高い時間帯に解くことを強くおすすめします。

失敗パターン5: 改正・新分野を旧情報のまま学習する

個人情報保護法の官民一元化(2021年改正)や、令和6年度からの「基礎知識」化・諸法令の追加など、この科目は制度変更が反映されやすい領域です。古い年度のテキストだけで学習すると、廃止された行政機関個人情報保護法を前提にした誤った知識を覚えてしまうおそれがあります。最新年度版の教材を使い、改正点を意識することが足切り回避の地味だが重要なポイントです。

確認問題

行政書士試験の一般知識等(基礎知識等)の足切りラインは、14問中7問以上の正解(28点以上)である。

○ 正しい × 誤り
解説
一般知識等の足切りラインは14問中6問以上の正解(24点以上)です。7問ではなく6問が基準点です。56点満点の約43%にあたります。法令科目で十分な得点を取っていても、一般知識等で24点未満の場合は不合格となります。

まとめ|足切りを恐れず、戦略的に突破する

一般知識等の足切り対策は、以下の3つの原則に集約されます。

原則1: 文章理解3問を全問正解する

文章理解は最も安定した得点源です。解法テクニック(要旨把握・空欄補充・並べ替え)を身につけ、日常的に演習を積むことで、3問全問正解を目指しましょう。ここで3問取れれば、残り11問中3問の正解で足切りクリアです。形式別では並べ替え・空欄補充を消去法で確実に取り、要旨把握に時間をかける配分が有効です。

原則2: 情報通信・個人情報保護+諸法令で「法律で取る」

個人情報保護法を中心に、法律ベースで対策できる分野を確実に固めます。個人情報保護法の重要条文と「要配慮個人情報のオプトアウト不可」などの例外、IT関連の基本用語、電子署名法・番号法などの制度知識、そして令和6年度から加わった行政書士法等の諸法令を整理しておきましょう。ここは条文の知識がそのまま得点になります。

原則3: 政治経済社会は深追いしない

範囲が広く出題予測が困難な分野です。時事対策本を1冊読み、選挙制度・社会保障など「仕組み系」の問題だけを取りに行く程度にとどめ、浮いた時間を法令科目(特に行政法・民法)の学習に充てるのが合格への最短ルートです。

一般知識等は「守り」の科目です。高得点を目指す必要はなく、足切りラインを確実に超えることだけに集中しましょう。文章理解3問+情報通信・個人情報保護2問+政経1問の合計6問で24点を確保し、法令科目で合格点を積み上げる。これが行政書士試験合格の王道戦略です。

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