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行政書士 正誤の組み合わせ問題の解き方|部分知識で正解する

行政書士試験の正誤の組み合わせ問題の解き方を徹底解説。全肢を覚えていなくても、確実に分かる肢と選択肢の構造から正解を絞り込む手順・コツ・具体例・FAQを紹介します。

行政書士試験の5肢択一式には、「正しいものの組み合わせはどれか」「妥当でないものの組み合わせはどれか」と問う、いわゆる組み合わせ問題が毎年複数出題されます。この形式は一見やっかいですが、実は「全部の肢が分からなくても正解できる」という、択一式の中でも特に部分知識で得点しやすいタイプです。

本記事では、組み合わせ問題の構造を分解し、確実に分かる肢を起点に正解を絞り込む具体的な手順、見落としがちな落とし穴、本番でのチェックリストまで、行政書士試験に即して徹底的に解説します。

この記事でわかること

  • 組み合わせ問題とは何か、5肢択一式の中での位置づけ
  • なぜ組み合わせ問題は「部分知識」で正解できるのか
  • 確実に分かる肢から正解を絞り込む5ステップの手順
  • 選択肢の組み合わせ構造そのものを利用する裏ワザ
  • アの肢・イの肢が分からないときの確率的な考え方
  • ミスしやすい落とし穴と本番直前のチェックリスト
  • 実際の出題を模したクイズで解法を体感

組み合わせ問題とは何か

行政書士試験の法令等科目(択一式)は、原則として5肢択一で出題されます。その出題形式にはいくつかのバリエーションがあり、組み合わせ問題はその一つです。代表的な形式を整理すると次のようになります。

形式問い方の例特徴単純正誤型「妥当なものはどれか」5つの肢から1つを選ぶ最も基本的な形個数型「妥当なものはいくつあるか」全肢を正確に判定しないと答えが出にくい組み合わせ型「妥当なものの組み合わせはどれか」ア〜オ等の記述に対し、正しい組み合わせを5つの選択肢から選ぶ空欄補充型「空欄に入る語句の組み合わせ」多肢選択式・記述式とは別に択一でも出る

組み合わせ問題は、典型的には「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つ(または「ア〜エ」の4つ)の記述文が並び、その下に「1 ア・イ」「2 ア・ウ」……といった5つの選択肢が用意されます。受験生は、どの記述が正しい(または妥当でない)かを判断し、その組み合わせと一致する選択肢を選びます。

この形式は行政法・民法・憲法・基礎法学など、法令等科目のあらゆる分野で登場します。特に判例の事案や条文の細かい要件を複数並べて問う場面で多用されるのが特徴です。

個数型との決定的な違い

組み合わせ問題と混同されやすいのが個数型(「妥当なものはいくつあるか」)です。両者は似て見えますが、得点のしやすさは正反対と言ってよいほど違います。

  • 個数型は、5つの肢すべてを正確に○×判定できないと正解にたどり着けません。1つでも判定を誤れば個数がずれ、得点はゼロです。部分知識がほとんど通用しません。
  • 組み合わせ型は、後述するように一部の肢が分からなくても、選択肢の構造を利用して正解を絞り込めます。

つまり、同じ「複数の肢を並べる」形式でも、組み合わせ型は受験生に味方しやすい形式なのです。この違いを理解しておくことが、解法戦略の出発点になります。

なぜ部分知識で正解できるのか

組み合わせ問題が「全肢を覚えていなくても解ける」理由は、選択肢のセットが受験生にヒントを与えてしまう点にあります。

5つの記述(ア〜オ)の正誤の組み合わせは、理論上は2の5乗=32通りあります。しかし、実際の選択肢として用意されているのは5つだけです。出題者は答え以外の4つを「もっともらしいダミー」として作りますが、その5つの選択肢を見比べると、各肢が「何回登場しているか」に偏りが生まれます。

例えば、選択肢が次のようになっているとします。

選択肢含まれる記述1ア・イ2ア・ウ3イ・エ4ウ・オ5エ・オ

このとき、もし「アは妥当である」と確信できたなら、答えは1か2に絞られます。残るは「イとウのどちらが妥当か」という1つの判断だけで正解が出ます。本来5つあった判断のうち、実質2つの判断だけで答えが決まるわけです。

逆に「アは妥当でない」と分かれば、選択肢1・2が一気に消え、残りは3・4・5の3つになります。1つの確実な知識が、複数の選択肢を同時に消去してくれるのが組み合わせ問題の最大の特徴です。

行政書士試験の合格基準は、法令等・一般知識等それぞれの基準点を満たし、かつ全体で総得点の60パーセント(300点満点中180点)以上を得ることとされています。

確実に取れる問題を取りこぼさないことが180点突破の前提であり、組み合わせ問題はその「確実に取る」候補になりやすい形式です。

「知らない肢」が混ざっていても怖くない理由

受験生が組み合わせ問題に苦手意識を持つのは、「5つも記述があると、知らない肢が必ず混ざる」と感じるからです。確かに、5つの記述すべてを完璧に知っている問題はむしろ少数派です。しかし、組み合わせ問題の設計上、知らない肢が混ざっていても正解できるのがこの形式の本質です。

理由は2つあります。第一に、前述のとおり選択肢のセットが「どの肢が答えに関係しているか」のヒントを漏らしてしまうこと。第二に、出題者は「全部知らないと解けない問題」を組み合わせ形式で作るのが技術的に難しいことです。なぜなら、5つの選択肢で2つずつ記述を組み合わせると、どうしても特定の肢が複数回顔を出し、その肢を判定できれば一気に絞れてしまう構造になるからです。

この「構造的なゆるさ」を味方につけられるかどうかが、組み合わせ問題で安定して得点できる人とそうでない人の差になります。難しそうに見える5記述の問題こそ、落ち着いて確実な肢を探せば、実は2記述程度の判断で答えが出ることが多いのです。

組み合わせ問題を解く5つの手順

ここからは、本番で再現できる具体的な手順を示します。順番に実行することが大切です。

手順1 問いの方向を線で囲む

最初にやるべきは、問いが「妥当なもの」を聞いているのか「妥当でないもの」を聞いているのかを確認することです。組み合わせ問題で最も多いミスが、この方向の取り違えです。

「妥当でないものの組み合わせはどれか」という問いに対し、つい「妥当なもの」を探して逆の選択肢を選んでしまう——これは知識ではなく注意の問題で起こります。問題文の「妥当でない」「正しくない」「誤っているもの」といった語に必ず印(下線や囲み)を付けてから肢の検討に入りましょう。

手順2 ア〜オを独立に○×△で判定する

次に、ア〜オの各記述を、選択肢を見ずに一つずつ独立して判定します。このとき、自信の度合いを記号で書き分けるのがコツです。

  • ○:妥当だと確信できる
  • ×:妥当でない(誤り)と確信できる
  • △:判断がつかない、自信がない

ポイントは、確信できる肢(○か×)から先に手をつけること。曖昧な△の肢に長時間悩むのは後回しにします。多くの問題は、確信できる肢が1〜2個あれば正解にたどり着けるよう作られています。

手順3 確実な肢を選択肢に突き合わせて消去する

ここが組み合わせ問題の核心です。手順2で「×(妥当でない)」と確信した肢があれば、その肢を含む選択肢をすべて消去します(「妥当なものの組み合わせ」を問う問題の場合)。逆に「○」と確信した肢があれば、その肢を含まない選択肢を消去します。

具体例で見てみましょう。問いが「妥当なものの組み合わせはどれか」で、選択肢が次の通りだとします。

選択肢含まれる記述1ア・イ2ア・エ3イ・ウ4ウ・オ5エ・オ

ここで「ウは明らかに誤り(×)」と判断できたとします。すると、ウを含む選択肢3と4が消え、残るは1・2・5。さらに「アは妥当(○)」と分かれば、アを含まない選択肢5も消え、残りは1と2に絞られます。あとは「イとエのどちらが妥当か」を判断するだけです。

手順4 残った△の肢は確率と頻度で詰める

確実な肢を消去してもなお選択肢が2つ以上残る場合、△の肢を判断する必要があります。ここで使えるのが、各肢が選択肢に何回登場しているかという頻度の情報です。

例えば残った2択が「ア・イ」と「ア・エ」だった場合、共通する「ア」はもう正解確定の肢です。勝負は「イ」か「エ」のどちらか一方。両方を比べて、より誤りらしい・より妥当らしい根拠を探します。片方しか判断できなくても、片方が決まればもう片方は自動的に決まります。

このように、組み合わせ問題は最後に残る判断が1つになるよう設計されていることが多く、全肢を完璧に知らなくても突破口が開きます。

手順5 方向の再確認をして確定する

正解候補を1つに絞ったら、最後にもう一度手順1で確認した問いの方向に立ち返ります。「妥当なもの」を選ぶ問題なのに、無意識に「妥当でないもの」の組み合わせを選んでいないか。せっかく正しく絞り込んでも、ここで逆を選べば失点です。

マークシートに記入する直前に「この問題はプラスを探す問題か、マイナスを探す問題か」を一言つぶやくくらいの確認をして、ようやく確定します。

択一式全体の時間配分や解く順番も得点に直結します。詳しくは5肢択一式の解法テクニック完全ガイド択一式の解く順番と時間管理も参考にしてください。

5ステップを1つの流れにまとめる

ここまでの5手順を、本番で迷わず回せるよう1つの流れとして整理します。

  1. 方向確認:「妥当なもの」か「妥当でないもの」か。問いの語に印を付ける。
  2. 独立判定:選択肢を見ずに、ア〜オを○×△で一つずつ判定する。
  3. 消去:確実な肢を選択肢に突き合わせ、矛盾する選択肢を消す。
  4. 絞り込み:残った選択肢の共通部分・相違点を見て、判断すべき肢を特定する。
  5. 再確認・確定:問いの方向に立ち返り、矛盾がなければマークする。

重要なのは、この順番を崩さないことです。特に「2の独立判定を、選択肢を見る前にやる」点が崩れやすい。選択肢を先に見てしまうと、ダミーに引きずられて肢の判定が甘くなります。まず自分の知識だけで○×△を付け、それから選択肢と突き合わせる——この順序が組み合わせ問題の精度を支えます。

選択肢の構造を逆手に取るテクニック

手順を押さえたら、さらに踏み込んで選択肢の構造そのものを観察するテクニックを身につけましょう。これは知識が不足している場面で特に効きます。

出現回数の偏りに注目する

5つの選択肢に登場する記述の出現回数を数えると、偏りがあります。多くの問題では、正解に含まれる肢ほど複数回登場する傾向があります。出題者は、答えの肢を軸に複数のダミー選択肢を組み立てるためです。

ただし、これはあくまで補助的なヒントであり、出現回数だけで答えを決めてはいけません。出題者がこの傾向を逆手に取って作問することもあるため、必ず知識による判定を優先し、出現回数は「最後にどちらか迷ったときの参考」程度に留めます。

ペアで必ずセットになる肢を見つける

選択肢を見ると、「アとイは常にセットで登場する」「ウは単独でしか出ない」といった構造が見えることがあります。あるペアが複数の選択肢で固定されている場合、そのペアの片方が決まればもう片方の扱いも見えてきます。構造を図にしてみると、判断すべき肢が実は1〜2個に集約されることが分かります。

4肢構成と5肢構成を見分ける

組み合わせ問題は「ア〜オの5記述」だけでなく「ア〜エの4記述」で出ることもあります。記述の数が少ないほど、1つの確実な知識で消去できる選択肢の割合が高くなります。記述が4つなら、確実な肢が1つあるだけで一気に2〜3択まで絞れることも珍しくありません。記述の数を最初に確認しておくと、どこまで絞れそうか見通しが立ちます。

解き方を最初から最後まで再現する具体例

抽象的な手順だけでは身につかないので、一つの問題を最初から最後まで解く流れを再現します。実際の試験を模した架空の問題で、行政手続法の知識を題材にします。

行政手続法に関する次のア〜オの記述のうち、妥当でないものの組み合わせはどれか。

  • ア 申請に対する処分について、行政庁は審査基準を定めるよう努めなければならない。
  • イ 不利益処分をする場合、行政庁は原則として理由を示さなければならない。
  • ウ 行政指導に携わる者は、その相手方に対し、当該行政指導の趣旨・内容・責任者を明確に示さなければならない。
  • エ 届出は、行政庁が受理して初めて手続上の義務が履行されたことになる。
  • オ 行政指導は、相手方の任意の協力によってのみ実現される。

選択肢:1 ア・イ/2 ア・エ/3 イ・ウ/4 エ・オ/5 ウ・オ

手順1(方向確認):問いは「妥当でないもの」を探しています。ここに印を付けます。探すのは「誤っている記述」です。

手順2(独立判定):選択肢を見る前に各記述を判定します。アは「審査基準は定めなければならない(義務)」のに「努めなければならない(努力義務)」と書いており、努力義務とされているのは標準処理期間の方です。よってアは×(妥当でない)と判断できます。エは、届出は形式上の要件を満たして提出されれば、その提出によって手続上の義務が履行されたことになり、「受理して初めて」ではありません。よってエも×(妥当でない)と判断できます。イ・ウ・オはいずれも妥当な内容で○と判断できます。

手順3・4(消去・絞り込み):妥当でないのはアとエ。これを含む選択肢は「2 ア・エ」です。アを含む選択肢1・2、エを含む選択肢2・4のうち、両方を同時に含むのは2だけです。

手順5(再確認・確定):問いは「妥当でないものの組み合わせ」。妥当でないア・エの組み合わせは選択肢2。方向に矛盾はないので、正解は2と確定します。

この例で分かるとおり、5記述のうち確実に×と言える肢を2つ見つけられれば、答えは一意に決まります。仮にエの判定に自信がなくても、「アが妥当でない」と分かれば選択肢は1か2に絞られ、あとは「イとエのどちらがより誤りか」を比べるだけで済みます。

行政手続法上、行政庁は審査基準を定めるものとし、これを公にしておかなければならないとされています。一方、標準処理期間は定めるよう努めるものとされています。

― 行政手続法 第5条・第6条

分野別・組み合わせ問題の頻出パターン

組み合わせ問題は分野によって出題の癖があります。あらかじめ知っておくと、本番で慌てません。

行政法

行政法は条文の要件・手続を複数並べる組み合わせ問題が頻出です。行政手続法の各手続(申請に対する処分、不利益処分、行政指導、届出など)の異同や、行政不服審査法と行政事件訴訟法の比較が、記述を並べる形で問われます。条文の細かい数字や「努力義務か義務か」の区別が肢の正誤を分けます。

似た制度を横並びで覚えておくと、組み合わせ問題で記述同士を見分けやすくなります。法令科目の横断整理テクニックで似た制度をまとめて整理しておくと効果的です。

民法

民法は判例の事案や要件を複数並べる形が多く、特に物権・債権の細かい論点で組み合わせ問題が出ます。「改正前と改正後で結論が変わった論点」を絡めて、新旧を混ぜた記述を並べてくるパターンに注意が必要です。改正点を正確に押さえている肢が確実な○×判定の手がかりになります。

憲法・基礎法学

憲法は判例の判旨や統治機構の権限配分を並べる形、基礎法学は法概念や用語の定義を並べる形で組み合わせが出ます。基礎法学は学習が手薄になりがちですが、組み合わせ形式なら1つでも確実な肢があれば絞り込めるため、捨てずに取り組む価値があります。

商法・会社法

商法・会社法は、機関設計・株式・設立手続などの細かい要件を複数並べる形で組み合わせ問題が出ます。「公開会社か非公開会社か」「取締役会設置会社か否か」で結論が変わる論点を絡め、条件の異なる記述を並べてくるのが典型です。前提条件を取り違えると複数の肢を一度に誤判定してしまうため、各記述がどの会社類型を前提にしているかを最初に確認するのがコツです。

パターンに共通する出題者の狙い

分野は違っても、組み合わせ問題で出題者が狙う「ひっかけ」のパターンは共通しています。整理すると次の通りです。

ひっかけの型内容対策義務/努力義務のすり替え「しなければならない」と「努めなければならない」を入れ替える条文の語尾を正確に覚える主体の入れ替え権限の主体(国・地方公共団体・行政庁など)をすり替える「誰が」を意識して読む新旧の混在改正前の結論を改正後として記述する改正点を新旧対比で押さえる数値・期間のすり替え期間や定足数などの数字を微妙に変える頻出の数値を集中暗記する例外の見落とし原則だけ正しく書き、例外を無視させる「原則と例外」をセットで覚える

これらの型を知っていると、各記述のどこを疑えばよいかが分かり、確実に判定できる肢を増やせます。

ミスしやすい落とし穴

組み合わせ問題で失点する原因は、知識不足よりも手続上のミスが多いのが実情です。代表的な落とし穴を挙げます。

  • 問いの方向の取り違え:最も多いミス。「妥当でないもの」を「妥当なもの」と読み違える。
  • 記号の取り違え:ア〜オの記号と選択肢の番号を混同してマークする。
  • 二重否定の処理ミス:「妥当でないものの組み合わせ」かつ肢の中に「〜ではない」という否定文が含まれると、否定が重なって混乱する。一度肯定文に直して考える。
  • 確実な肢を信じきれない:本当は確信できているのに、迷っているうちに正しい消去を取り消してしまう。○×△の記号を書き残し、根拠を明確にしておく。
  • 全肢を完璧に判定しようとして時間切れ:組み合わせ問題は全肢判定が不要なことを忘れ、△の肢に固執して時間を浪費する。

これらは演習の段階で「なぜ間違えたか」を記録し、知識のミスか手続のミスかを切り分けておくと、本番で激減します。間違いの分析と復習の進め方は模試の活用法と効果的な復習術も合わせて確認してください。

特に注意したいのが、「迷った末に正しい消去を取り消す」現象です。一度「ウは誤りだ」と判定して選択肢を消したのに、別の肢で迷っているうちに「やはりウは正しいかもしれない」と揺り戻し、せっかくの絞り込みを無駄にしてしまう。これを防ぐには、判定の根拠を一言メモしておくことです。「ウ=主体が逆」「ア=努力義務のすり替え」のように根拠を残せば、後で揺らいでも判断を再現でき、無駄な迷いに時間を奪われません。組み合わせ問題は、確実に分かった肢を最後まで信じきれるかが得点を左右します。

普段の演習で解法を体に染み込ませる

組み合わせ問題の解法は、本番でいきなり使おうとしてもうまくいきません。普段の過去問演習から意識的に訓練しておく必要があります。効果的な練習の進め方を紹介します。

全肢に○×△を必ず書き込む癖をつける

単純正誤型の問題でも、正解の肢だけを探して終わりにせず、全肢に○×△を書き込む癖をつけましょう。これは組み合わせ問題・個数型の両方に効く基礎トレーニングです。正解以外の肢が「なぜ誤りなのか」「どこが正しいのか」を言語化することで、確実に判定できる肢の引き出しが増えます。組み合わせ問題は、この「確実な肢の数」がそのまま得点力に直結します。

間違えた肢を「知識ミス/手続ミス」に分類する

復習のときは、間違えた原因を必ず2種類に分けて記録します。

  • 知識ミス:その肢の内容を知らなかった、または誤って覚えていた。→ 該当論点を復習する。
  • 手続ミス:知識はあったのに、問いの方向を取り違えた、記号を混同した、絞り込みを誤った。→ 解法手順を見直す。

組み合わせ問題の失点は手続ミスの割合が高いため、この分類をしておくと「知識を増やす学習」と「解き方を磨く学習」のどちらに時間を割くべきかが明確になります。

解いた後に「実質何個の判断で解けたか」を振り返る

正解できた問題でも、「結局いくつの肢を確実に判定できれば解けたか」を振り返ると、組み合わせ問題の構造的なゆるさが体感できます。「5記述あったが、実は2個分かれば解けた」と気づく経験を積むほど、本番で知らない肢に出会っても動じなくなります。アウトプット中心の演習の進め方はアウトプット中心学習法も参考になります。

練習問題で解法を体感する

実際の組み合わせ問題を模したクイズで、手順を体感してみましょう。各問の解説では、どこを起点に絞り込むかに注目してください。

確認問題

組み合わせ問題は、5つの記述すべてを正確に○×判定できなければ正解にたどり着けない。

○ 正しい × 誤り
解説
組み合わせ問題は、確実に分かる肢を起点に選択肢を消去できるため、全肢を完璧に判定できなくても正解にたどり着ける場合が多い。全肢の正確な判定が必須なのは「個数型」(いくつあるか)の問題である。
確認問題

「妥当なものの組み合わせはどれか」という問題で、ある記述が明らかに誤り(妥当でない)と確信できた場合、その記述を含む選択肢はすべて消去してよい。

○ 正しい × 誤り
解説
「妥当なものの組み合わせ」を問う問題では、誤りの記述を含む選択肢は正解になり得ない。よって、確実に誤りと判断できた記述を含む選択肢はすべて消去でき、これが絞り込みの最も強力な手がかりになる。
確認問題

選択肢に登場する記述の出現回数だけを根拠に、最も多く登場する記述を含む選択肢を正解と断定してよい。

○ 正しい × 誤り
解説
出現回数の偏りはあくまで補助的なヒントにすぎない。出題者がこの傾向を逆手に取ることもあるため、必ず知識による正誤判定を優先し、出現回数は最後に迷ったときの参考程度に留めるべきである。
確認問題

組み合わせ問題を解く際は、最初に問いが「妥当なもの」を聞いているのか「妥当でないもの」を聞いているのかを確認すべきである。

○ 正しい × 誤り
解説
問いの方向の取り違えは組み合わせ問題で最も多い失点原因である。「妥当でない」「誤っている」といった語に印を付けてから肢の検討に入ることで、絞り込みが正しくても方向を逆に選ぶミスを防げる。

本番直前のチェックリスト

試験本番で組み合わせ問題に出会ったとき、次の順で確認すれば手順を再現できます。

順番確認事項1「妥当なもの」か「妥当でないもの」か、問いの方向に印を付けたか2記述はいくつあるか(ア〜エの4つか、ア〜オの5つか)を確認したか3各記述に○×△を書き、確信できる肢から判定したか4確実な肢を選択肢に突き合わせ、該当する選択肢を消去したか5残った△の肢は、選択肢の共通部分・出現回数を手がかりに詰めたか6マーク直前にもう一度、問いの方向を再確認したか

このチェックリストを普段の過去問演習から声に出して回すと、本番では無意識に実行できるようになります。

よくある質問(FAQ)

Q. 組み合わせ問題はどのくらい出題されますか。

年度や科目によって増減しますが、法令等科目の択一式の中で複数問が組み合わせ形式で出るのが通例です。行政法・民法を中心に幅広い分野で登場するため、解法を身につけておく価値は十分にあります。

Q. 個数型と組み合わせ型、どちらを優先して対策すべきですか。

得点のしやすさでは組み合わせ型が有利です。ただし個数型は全肢の正確な知識を要求するため、組み合わせ型で確実に取れる地力をつけることが、結果として個数型の正答率も底上げします。まずは組み合わせ型で「確実な肢を増やす」学習を優先しましょう。

Q. 全肢が△で、どれも自信がないときはどうすればよいですか。

その場合でも白紙にはせず、選択肢の構造(共通する記述、出現回数)と、わずかでも違和感のある記述を手がかりに最も可能性の高い選択肢を選びます。組み合わせ問題はマークすれば一定の確率で当たる形式なので、必ず何かをマークすることが鉄則です。

Q. 似たような解法は多肢選択式や文章理解にも使えますか。

絞り込みと消去法の考え方は共通します。多肢選択式の対策は多肢選択式で確実に得点する攻略法、文章理解は文章理解の解法テクニックで詳しく扱っています。あわせて読むと、択一全体の正答率が上がります。

Q. 組み合わせ問題で「出現回数の多い肢を選ぶ」テクニックだけに頼ってはいけないのはなぜですか。

出現回数の偏りは、あくまで出題者の作問上の癖から生まれる副次的なものにすぎないからです。出題者がこの傾向を逆手に取り、わざと誤りの肢を多く登場させて受験生を引っかけることもあります。テクニックは知識による判定を補完するものであって、代替するものではありません。確実な肢を1つでも増やす学習が、結局は最も確実な対策です。

Q. 時間が足りないとき、組み合わせ問題は後回しにすべきですか。

むしろ逆で、確実な肢が1つでもあれば短時間で絞り込める組み合わせ問題は、限られた時間で得点を稼ぎやすい形式です。全肢を判定しようとせず、確実な肢から消去に入れば素早く処理できます。本当に後回しにすべきは、全肢の正確な判定を要求される個数型や、まったく手がかりのない問題です。

Q. 二重否定の肢が混ざると混乱します。どう処理すればよいですか。

「妥当でないものの組み合わせ」を問う問題で、記述自体に「〜することはできない」「〜に当たらない」という否定が含まれると、否定が重なって判断が狂いやすくなります。このときは、記述をいったん肯定文に読み替えて内容の正誤を判定し、その後に問いの方向(妥当か妥当でないか)を当てはめると整理できます。否定と方向を同時に処理しようとしないことがコツです。

まとめ

組み合わせ問題は、行政書士試験の択一式の中でも部分知識で得点しやすい形式です。要点を振り返ります。

  • 個数型と違い、全肢を完璧に判定しなくても正解にたどり着ける
  • まず問いの方向(妥当なもの/妥当でないもの)を確認する
  • ア〜オを○×△で独立判定し、確信できる肢から手をつける
  • 確実な肢を起点に選択肢を消去すれば、判断すべき肢は1〜2個に絞れる
  • 出現回数や共通部分は補助的なヒント。最後はマークを確定する前に方向を再確認する

確実に分かる肢を1つでも増やすことが、組み合わせ問題では複数の選択肢を同時に消す力になります。日々の過去問演習で「全肢判定」ではなく「確実な肢から絞る」訓練を積み、本番で取りこぼさない得点源に変えていきましょう。

組み合わせ問題は「全部知らないと解けない難問」ではなく、「一部の確実な知識を最大限に活かせる得点源」です。この発想の転換ができれば、5記述の問題に出会っても落ち着いて確実な肢を探し、構造の力で正解までたどり着けます。本記事の5ステップとチェックリストを、まずは次の過去問演習から実際に手を動かして試してみてください。繰り返すうちに、組み合わせ問題は「迷う問題」から「確実に取れる問題」へと変わっていくはずです。

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