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行政書士試験|5肢択一式の解法テクニック完全ガイド

行政書士試験の5肢択一式で確実に得点するための解法テクニックを解説。消去法・キーワード判別法・比較法など、本番で使える実践的な解き方を紹介します。

はじめに|5肢択一式は試験の「主戦場」

行政書士試験の5肢択一式は、全300点満点中216点(法令等160点+一般知識等56点)を占める最大の得点源です。合格ラインの180点に到達するためには、択一式で安定して得点する力が不可欠です。

択一式の問題は「5つの選択肢から正解を1つ選ぶ」というシンプルな形式ですが、だからこそ正しい解法テクニックを身につけているかどうかで得点に大きな差が生まれます。

本記事では、5肢択一式で確実に得点するための解法テクニックを、基本から応用まで体系的に解説します。

5肢択一式の基本データ

出題数と配点

5肢択一式は法令等科目と一般知識等科目の両方で出題されます。

科目問題数配点1問あたり基礎法学2問8点4点憲法5問20点4点行政法19問76点4点民法9問36点4点商法・会社法5問20点4点一般知識等14問56点4点合計54問216点4点

1問4点ですから、1問正解するごとに合格に確実に近づきます。逆に、ケアレスミスで1問落とすだけでも4点を失うことになります。

出題形式のパターン

5肢択一式の問題文には主に以下のパターンがあります。

  • 「正しいものはどれか」型:正解の選択肢を選ぶ
  • 「妥当でないものはどれか」型:誤りの選択肢を選ぶ
  • 「正しいものの組み合わせはどれか」型:ア〜オの記述の中から正しいものの組み合わせを選ぶ
  • 「妥当なものはいくつあるか」型:正しい記述の個数を選ぶ(個数問題)
注意:問題文の指示(「正しいもの」か「妥当でないもの」か)を読み間違えるだけで4点を失います。問題文に下線を引くなどして、何を問われているかを必ず確認する習慣をつけましょう。

解法テクニック①:正攻法(確実な知識で解く)

最も基本的かつ確実な方法は、正確な知識に基づいて正解を選ぶことです。

正攻法が有効な場面

  • 十分に学習済みの分野から出題された場合
  • 基本的な条文知識が問われている場合
  • 過去問で繰り返し出題されているテーマの場合

正攻法の実践ポイント

  1. 各選択肢を「○(正しい)」「×(誤り)」「△(不明)」で判定する
  2. ○が1つだけであれば、それが正解(正しいものを選ぶ問題の場合)
  3. ×が1つだけであれば、それが正解(妥当でないものを選ぶ問題の場合)
  4. すべての選択肢を読んでから解答する(1つ目が正解に見えても、他の選択肢を確認する)

正攻法で自信を持って解ける問題が増えれば増えるほど、試験全体の得点は安定します。日頃の学習で「確実に解ける問題」の数を増やすことが何より大切です。

解法テクニック②:消去法

消去法は、明らかに誤りの選択肢を除外して正解を絞り込むテクニックです。正攻法で解けない問題でも、消去法を使えば正解率を大幅に上げることができます。

消去法の基本手順

  1. 5つの選択肢を順に読み、明らかに誤りのものに×をつける
  2. ×がついていない選択肢の中から正解を選ぶ
  3. 2つまで絞れれば、正解率は50%に上がる

消去法が効果的な理由

5つの選択肢すべてについて正誤を判断する必要はありません。確実に「これは違う」と判断できる選択肢を1つでも2つでも消せれば、正解にたどり着ける確率は飛躍的に高まります。

  • 5肢からランダムに選ぶ → 正解率 20%
  • 1肢を消去して4肢から選ぶ → 正解率 25%
  • 2肢を消去して3肢から選ぶ → 正解率 33%
  • 3肢を消去して2肢から選ぶ → 正解率 50%

消去法の判断基準

以下のような選択肢は、誤りである可能性が高いため消去の候補になります。

  • 常識的にあり得ない内容(例:「未成年者は一切の法律行為ができない」)
  • 法律の基本原則に反する内容(例:「法律の根拠なく国民の権利を制限できる」)
  • 他の科目の知識で判断できる内容(例:民法の知識で行政法の選択肢の誤りに気づく)
確認問題

5肢択一式で消去法を使い、5つの選択肢のうち3つを確実に誤りと判断できた場合、残り2つから正解を選ぶ確率は50%である。

○ 正しい × 誤り
解説
消去法で5つの選択肢から3つを除外できれば、残り2つのうち1つが正解ですので、正解率は50%になります。知識が不十分な問題でも消去法を活用すれば得点の可能性を大きく高めることができます。

解法テクニック③:キーワード判別法

選択肢の中に含まれる特定のキーワードに注目することで、正誤を判断するテクニックです。

要注意の「絶対表現」

以下のような絶対的な表現を含む選択肢は、誤りである可能性が高い傾向があります。

絶対表現例文判断のポイント必ず「行政庁は必ず聴聞を行わなければならない」例外規定がないか確認常に「常に書面で行わなければならない」口頭でも可能な場合がないか確認一切「一切の例外は認められない」例外なく適用される規定は少ないすべて「すべての行政行為に理由の提示が必要」適用除外がないか確認いかなる場合でも「いかなる場合でも取消しができない」例外的に認められる場合がないか確認のみ「書面によるもののみ有効」他の方法も認められないか確認

法律の世界では「原則と例外」が基本構造です。絶対的な表現で断定している選択肢は、例外を無視している可能性が高く、誤りの選択肢として出題されやすい傾向があります。

「できる」と「しなければならない」の違い

  • 「できる」:裁量がある(任意規定)
  • 「しなければならない」:義務がある(強行規定)
  • 「するものとする」:原則として義務だが、一定の裁量を含む場合がある

この区別を正確に理解しておくと、選択肢の正誤判断の精度が上がります。

主語のすり替えに注意

出題者が頻繁に用いるテクニックとして、主語のすり替えがあります。

  • 「行政庁」と「審査庁」のすり替え
  • 「申請者」と「利害関係人」のすり替え
  • 「国」と「地方公共団体」のすり替え

選択肢を読むときは、主語が正しいかどうかを意識的に確認しましょう。

確認問題

5肢択一式の選択肢において「常に」「必ず」「一切」などの絶対表現が含まれていれば、その選択肢は100%誤りである。

○ 正しい × 誤り
解説
絶対表現を含む選択肢は誤りである可能性が「高い」ですが、100%誤りとは限りません。例えば「すべての国民は法の下に平等である」(憲法14条1項)のように、絶対的な表現でも正しい記述は存在します。あくまで「疑いの目を向ける」判断基準であり、最終的には知識に基づいて判断する必要があります。

解法テクニック④:比較法

似た内容の選択肢同士を比較して、正解を絞り込むテクニックです。

比較法の基本的な考え方

5つの選択肢のうち、内容が似ている2つの選択肢がある場合、正解はその2つのうちどちらかに含まれている可能性が高いです。出題者は、受験者が間違えやすいポイントを意図的に選択肢に盛り込むため、正解と「ひっかけ」の選択肢は内容が似通うことが多いからです。

比較法の実践例

例えば、行政不服審査法の問題で以下のような選択肢があったとします。

  • 選択肢ア:「審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内にしなければならない」
  • 選択肢イ:「審査請求は、処分があったことを知った日から起算して3月以内にしなければならない」

この2つは「翌日から」か「当日から」かという1点だけが異なります。このように微妙な差がある選択肢が並んでいる場合、出題者はまさにこの違いを問うていると考えられます。正解はこの2つのうちどちらかである可能性が高いのです(この場合、行政不服審査法第18条1項により「翌日から起算して3月」が正解です)。

比較法の注意点

  • 比較法はあくまで補助的なテクニックであり、知識が前提です
  • 出題者が意図的に「似た選択肢」をダミーとして配置している場合もあります
  • 最終判断は条文・判例の知識に基づいて行いましょう

時間配分の戦略

試験時間の全体像

行政書士試験の試験時間は3時間(180分)です。出題は全60問(5肢択一式54問+多肢選択式3問+記述式3問)ですから、単純計算で1問あたり3分です。

推奨する時間配分

パート問題数配分時間1問あたり5肢択一式(法令)40問100分2分30秒多肢選択式3問15分5分記述式3問30分10分5肢択一式(一般知識)14問25分1分50秒見直し-10分-合計60問180分-

時間配分のコツ

  1. わからない問題は飛ばす:1問に5分以上かけるのは危険。マークシートに仮の答えを入れて先に進む
  2. 得意科目から解く:試験開始直後は緊張しやすいので、得意科目から着手して調子をつかむ
  3. 記述式の時間を死守する:記述式は1問20点と配点が高いため、十分な時間を確保する
  4. 最後10分は見直しに使う:マークシートのズレがないか、問題番号と解答番号の対応を確認
重要:時間が足りなくなった場合でも、マークシートは全問必ず塗りましょう。空欄にすれば0%ですが、ランダムでも塗れば20%の確率で正解できます。

迷ったときの対処法

2択まで絞れたが決められないとき

  1. 問題文をもう一度読み返す:見落としていたキーワードに気づくことがある
  2. 最初の直感を信じる:統計的に、最初に選んだ答えの方が正解率が高いとされている
  3. 変更するなら明確な根拠があるときだけ:「なんとなく不安」で答えを変えるのは避ける

個数問題(正しいものはいくつあるか)への対処

個数問題は消去法が使えないため、難易度が高い形式です。

  • 確実に正誤判断できる肢を数える:3つ確実に○とわかれば、残り2つが△でも「3つ以上」は確定
  • 部分的な確信を組み合わせる:完全にはわからなくても、○×の確度を総合判断する
  • 時間をかけすぎない:個数問題は正解が出にくいので、ある程度のところで見切りをつける

科目別の択一式攻略ポイント

行政法(19問・76点)

行政法は択一式で最も多い19問が出題され、得点の要です。

  • 条文の正確な暗記が最重要:行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の条文を中心に出題される
  • 数字を正確に覚える:期間制限(「3月」「6月」「1年」など)の正確な暗記が求められる
  • 制度間の比較を意識する:聴聞と弁明の機会の付与の違い、審査請求と再調査の請求の違いなど

民法(9問・36点)

  • 事例問題が多い:条文の暗記だけでなく、具体的な事案への適用力が問われる
  • 改正点は頻出:2020年施行の債権法改正部分は繰り返し出題される
  • 判例知識が必要:特に物権法・債権法分野では重要判例の結論を押さえておく

憲法(5問・20点)

  • 判例の結論が問われる:最高裁の違憲判決・合憲判決の結論を正確に覚える
  • 統治分野は条文中心:国会・内閣・裁判所の権限を条文に基づいて整理する
  • 人権の判定基準を理解する:厳格な審査基準、中間審査基準、合理性の基準の使い分け

商法・会社法(5問・20点)

  • 深追いしすぎない:範囲が広い割に配点が低い。基本論点に絞る
  • 会社法の設立・株式・機関を重点的に:出題頻度の高い分野に集中する
  • 過去問ベースで頻出論点を特定する:商法総則・商行為からの出題も忘れずに

一般知識等(14問・56点)

  • 足切り(24点=6問以上正解)を最優先:ここで足切りに遭うとすべてが水の泡になる
  • 文章理解は3問全問正解を狙う:解法テクニックで安定して得点できる分野
  • 個人情報保護法は得点源:法律科目と同様の対策が可能なので確実に取る
  • 政治・経済・社会は時事問題が多い:日頃からニュースに関心を持つ
確認問題

行政書士試験の5肢択一式は、法令等科目40問と一般知識等科目14問の合計54問で構成されており、すべて1問4点で合計216点である。

○ 正しい × 誤り
解説
5肢択一式は法令等科目40問(160点)と一般知識等科目14問(56点)の合計54問・216点です。300点満点中の72%を占める最大の得点源であり、択一式での安定した得点が合格の鍵を握ります。

マークシートの注意点

ありがちなミスと防止策

マークシートに関する単純なミスで点数を失うのは、最も避けるべき事態です。

  1. マークのズレ:問題を飛ばしたときにマークがずれることがある。10問ごとに番号の対応を確認する
  2. 薄すぎるマーク:機械が読み取れないことがある。しっかりと塗りつぶす
  3. 消し残し:答えを変更したときの消し残しがダブルマークと判定されることがある。消しゴムで完全に消す
  4. 問題の指示の読み間違い:「妥当でないもの」を「妥当なもの」と読み間違えるミスが多発する

マークシート対策の習慣

  • 模擬試験では必ずマークシートを使って解く
  • 解答を問題用紙にも記入する(自己採点のため)
  • 最後の見直しではマークシートと問題用紙の対応を確認する

まとめ|テクニックと知識の両輪で合格をつかむ

5肢択一式の解法テクニックを整理すると、以下のようになります。

  1. 正攻法:確実な知識で正解を選ぶ(最も基本・最も確実)
  2. 消去法:誤りの選択肢を除外して正解を絞り込む
  3. キーワード判別法:絶対表現や主語のすり替えに注目する
  4. 比較法:似た選択肢を比較して正解を特定する
  5. 時間管理:1問あたりの時間を意識し、記述式の時間を確保する

これらのテクニックは、あくまで基礎知識があってこそ活きるものです。テクニックに頼りすぎるのではなく、日頃の学習で正確な知識を身につけたうえで、本番ではテクニックを補助的に活用する。この「知識×テクニック」の両輪こそが、択一式で安定して高得点を取る秘訣です。

過去問を繰り返し解く中で、ここで紹介したテクニックを意識的に使う練習をしましょう。最初は時間がかかっても、慣れれば自然と身についていきます。

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