この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第二十条の規定 公布の日
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第二十条の規定 公布の日
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
結論:この肢は「誤り」。
株主総会決議取消しの訴えの提訴権者に、6か月の継続保有要件はありません。会社法831条1項は、株主総会等の決議の日から3か月以内に、株主等(株主、取締役、監査役、執行役、清算人)が決議取消しの訴えを提起することができると定めるだけで、保有期間や持株数による制限を置いていないからです。決議取消しの訴えは単独株主権であり、1株しか持たない株主でも、また決議後に株主となった者でも提起できます。
決議の当時に株主でなかった者であっても、その後に株式を取得して株主となれば、当該決議の取消しを訴求できると解されています。決議の瑕疵は会社の運営の適正に関わるものであり、現に株主である者に是正の機会を与えるべきだからです。また、判例は、自己に対する招集手続の瑕疵がなくても、他の株主に対する招集手続の瑕疵を理由として取消しを求めることができるとしています(最判昭和42年9月28日)。
ここで重要なのは「3か月」という提訴期間です。会社法831条1項の3か月は除斥期間と解されており、この期間を過ぎると取消しを主張できなくなります。しかも判例は、期間経過後に新たな取消事由を追加して主張することは許されないとしています(最判昭和51年12月24日)。会社の組織に関する法律関係を早期に安定させる趣旨です。
ひっかけポイントは、決議の瑕疵を争う三つの訴えの区別です。決議取消しの訴え(831条)は3か月の出訴期間があり提訴権者も限定されますが、決議不存在確認の訴えおよび決議無効確認の訴え(830条)には出訴期間の制限がなく、確認の利益がある限り誰でも提起できます。取消事由は、招集手続・決議方法の法令定款違反または著しい不公正、決議内容の定款違反、特別利害関係人が議決権を行使したことによる著しく不当な決議、の三類型です(831条1項各号)。いずれについても6か月の保有期間は問題になりません。本問で6か月の継続保有が要求されるのは、肢5の株主代表訴訟です。
結論:この肢は「正しい」。
取締役の責任を追及する訴え、すなわち株主代表訴訟(会社法が「責任追及等の訴え」と呼ぶもの)については、会社法847条1項が、6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等または清算人の責任を追及する訴えの提起を請求することができる、と定めています。本問の問題文の表現は、この条文の文言をそのまま引いたものです。
手続の流れも押さえておきましょう。株主はまず会社に対して提訴請求を行い、会社が請求の日から60日以内に責任追及等の訴えを提起しないときに、初めて自ら会社のために訴えを提起できます(847条3項)。ただし、60日の経過により会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、直ちに訴えを提起することができます(847条5項)。また、責任追及等の訴えが当該株主もしくは第三者の不正な利益を図りまたは会社に損害を加えることを目的とする場合には、提訴請求をすることができません(847条1項ただし書)。
なぜ代表訴訟にだけ継続保有要件が課されるのかという理由づけです。代表訴訟は単独株主権であり、1株の株主でも会社の役員を被告として訴訟を追行できる強力な制度です。しかも訴訟の目的の価額は算定不能なものとみなされ、手数料は一律とされているため(847条の4第1項)、提訴の負担が小さい。そこで、訴訟を起こす目的だけで株式を買い集める濫用を防ぐため、6か月の継続保有という時間的な絞りをかけたのです。
ひっかけポイントと関連知識を挙げます。第一に、この6か月要件は公開会社についてのものであり、公開会社でない株式会社では継続保有要件は不要です(847条2項)。非公開会社では株式の譲渡自体が制限されており、濫用目的での取得が想定しにくいためです。本問が冒頭で「公開会社の株主であって」と限定しているのはこの点を踏まえたものです。第二に、定款で6か月を下回る期間を定めることはできますが、上回る期間を定めることはできません。株主に不利な変更は許されないからです。第三に、6か月の継続保有要件は代表訴訟だけでなく、株主総会の招集請求(297条1項・2項)、株主提案権のうち議題提案権および議案要領通知請求権(303条2項、305条1項ただし書)、取締役の違法行為差止請求権(360条1項・3項)、役員解任の訴え(854条1項・2項)などにも課されています。逆に、会計帳簿閲覧請求(433条)、各種の会社の組織に関する訴えの提起(828条、831条)、募集株式発行の差止請求(210条)には期間要件がありません。この振り分けが本問の実質的な出題意図です。なお、平成26年改正で導入された多重代表訴訟(特定責任追及の訴え、847条の3)でも、最終完全親会社等の株主に6か月の継続保有要件が課されている点も、関連知識として押さえておきましょう。