1第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
2設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
この条文の過去問 2肢
結論:この肢は「正しい」。誤っているものを選ぶ本問では、正解肢にはなりません。
根拠条文は商法533条1項です。同項は「相殺によって生じた残額については、債権者は、計算の閉鎖の日以後の法定利息を請求することができる」と定めており、この肢はその文言どおりの記述です。
理由づけとして、計算閉鎖という概念を確認しておきましょう。交互計算期間が満了すると、その期間内に組み入れられた債権債務が一括して相殺され、差額(残額)が確定します。この時点を計算の閉鎖といいます。残額債権は計算閉鎖によって初めて具体的な支払請求権となるため、その日以後は債権者が資金を回収できていない状態が続くことになります。そこで商法は、遅滞に陥ったかどうかを問わず、計算閉鎖の日以後の法定利息の請求を認めて債権者を保護したのです。なお、商法533条2項は「前項の規定は、当該相殺に係る債権及び債務の各項目を交互計算に組み入れた日からこれに利息を付することを妨げない」と定めており、当事者の合意により、個々の債権を組み入れた日から利息を付すこと(いわゆる組入日利息)も可能です。
ひっかけポイントは日付の置き換えです。「計算の閉鎖の日以後」を「計算の閉鎖の日の翌日から」「支払の催告をした日以後」「交互計算契約を締結した日以後」などに変える改変が考えられます。また、「法定利息」を「約定利息」に変える、あるいは請求できるのは債務者であると主語を入れ替えるパターンにも注意しましょう。
関連知識として、法定利率は民法404条により年3パーセントを出発点とする変動制が採用されています(3年ごとに見直される仕組み)。かつて商事法定利率年6パーセントを定めていた旧商法514条は、2017年の民法(債権関係)改正に伴う整備で削除されており、現行法(2026年時点)では商事債権であっても民法の法定利率によることになります。古い教材には「商事法定利率年6パーセント」と書かれているものがありますので、混同しないよう注意してください。
結論:この肢は「正しい」。誤っているものを選ぶ本問では、正解肢にはなりません。
根拠条文は商法534条です。同条は「各当事者は、いつでも交互計算の解除をすることができる。この場合には、直ちに、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる」と定めています。この肢は前段をそのまま述べたものであり、正しい記述です。
理由づけとして、なぜ「いつでも」解除できるのかを押さえましょう。交互計算は、一定期間は個別の債権を回収せずに相手方の資力を信頼して取引を積み重ねる契約であり、相手方に対する信用を基礎とする継続的契約です。相手方の信用状態が悪化したにもかかわらず期間満了まで決済を待たなければならないとすると、当事者に不測の損害が生じます。そこで商法は、債務不履行等の理由がなくても、各当事者が一方的に将来に向かって交互計算関係を終了させることを認めました。解除といっても遡及効のある民法上の解除とは異なり、継続的契約の解約告知(将来効)に近い性質のものと理解されています。そして解除した場合には、期間の途中であっても直ちに計算を閉鎖して残額の支払を請求できます。
ひっかけポイントは、「やむを得ない事由があるときに限り」「相手方の債務不履行があるときに限り」「あらかじめ2か月前に予告して」などの制限を付け加える改変です。商法534条には要件も予告期間もありません。代理商契約について2か月前の予告を要求する商法30条1項(やむを得ない事由があるときはいつでも解除可=同条2項)と混同させる出題が想定されるので、条文ごとの違いを意識してください。
関連知識として、交互計算は当事者の一方について破産手続開始の決定があった場合にも終了します(破産法59条。破産手続開始により交互計算は終了し、計算を閉鎖して残額の支払を請求することができます)。信用を基礎とする契約であることから、解除・破産という形で早期の清算が予定されているという点を、制度の趣旨と結び付けて理解しておくと忘れにくくなります。