1発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。
2発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。
一 定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合 第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容
二 第三十三条第十項第三号に掲げる場合 同号に規定する証明の内容
この条文の過去問 2肢
結論:この肢は「正しい」。本問は誤っているものを選ぶ問題ですから、この肢は正解肢にはなりません。
根拠条文は商法531条です。同条は「当事者が相殺をすべき期間を定めなかったときは、その期間は、六箇月とする」と定めています。この肢は条文の文言をほぼそのまま述べたものであり、正しい記述です。設問文に「当事者に別段の意思表示がないものとする」とある点も、この規定が任意規定であり、当事者が別段の合意をすればそれに従うことを前提とした注記です。
理由づけとして、交互計算期間(計算期間)の意味を確認しておきます。交互計算では、一定期間内に生じた債権債務をまとめて相殺し、その残額だけを支払うことになります。この「一定期間」の満了によって計算が閉鎖され(計算閉鎖)、相殺がされて残額債権が確定します。当事者が期間を定めていないと、いつまでたっても計算が閉鎖されず債権関係が不安定なままになってしまうため、商法は補充規定として6か月という期間を用意したのです。実務では月末締めや四半期締めなど当事者が期間を定めるのが通常ですから、531条はあくまで定めがない場合の受け皿です。
ひっかけポイントは、数字の置き換えです。「1年」「3か月」「1か月」などに差し替える出題が典型ですので、6か月という数字を確実に押さえてください。また、混同しやすい期間として、商法上の他の数字(たとえば代理商の契約解除の予告期間である商法30条1項の2か月)や、民法の各種期間規定があります。「相殺をすべき期間=6か月」はワンセットで暗記するのが得策です。
関連知識として、計算期間の満了により相殺がされた結果生じる残額債権は、それまでの個別債権とは別個の新たな債権として扱われます(更改に類する効果があると説明されます)。したがって、個別債権に付いていた担保や保証は、当事者の別段の合意がない限り残額債権には当然には引き継がれない、と理解されています。この点は次の商法532条・533条の理解にもつながる基礎になります。
結論:この肢は「正しい」。誤っているものを選ぶ本問では、正解肢にはなりません。
根拠条文は商法532条です。同条は「当事者は、債権及び債務の各項目を記載した計算書の承認をしたときは、当該各項目について異議を述べることができない。ただし、当該計算書の記載に錯誤又は脱漏があったときは、この限りでない」と定めています。この肢は、承認により各項目について異議を述べられなくなること、および錯誤・脱漏がある場合はその例外となることを述べており、条文の内容と合致します。
理由づけとして、承認の効果の意味を押さえましょう。交互計算では、期間満了時に一方が債権債務の明細(計算書)を相手方に示し、相手方がこれを承認することで、記載された各項目の存否や金額について争えなくなります。これを承認の確定的効力といいます。継続的取引の決済を簡便かつ確実にするという交互計算の目的からすれば、いったん承認した後に個々の取引を蒸し返されては制度の意味がなくなるからです。もっとも、計算書の記載自体に錯誤(計算違いや誤記など)や脱漏(記載漏れ)があった場合にまで争えないとするのは当事者に酷であり、実質的にも不当な結果になるため、ただし書で例外が置かれています。
ひっかけポイントは二つあります。第一に、承認によって異議を述べられなくなる対象は、計算書に記載された「各項目」であるという点です。承認は個々の項目の存否・金額を争えなくするものであり、計算書の記載自体の誤りまで治癒するものではないからこそ、ただし書の例外が置かれています。第二に、例外事由が「錯誤または脱漏」に限られる点です。詐欺や強迫を例外として並べる、あるいは「いかなる場合も異議を述べることができない」と例外を消してしまう改変が典型的な誤り肢の作り方です。
関連知識として、承認された計算書に基づいて確定した残額債権は、新たな独立の債権となり、以後は通常の債権としてその弁済期や消滅時効が問題となります。承認前の段階では、個々の債権は交互計算に組み入れられて独立性を失っており(交互計算不可分の原則)、当事者が単独で請求・譲渡することができないという点とあわせて理解しておくと、体系的に整理できます。