1法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
2学術、技芸、慈善、祭祀し、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
この条文の過去問 2肢
結論:この肢は「誤り」。
本問は「妥当でないもの」を選ぶ問題ですから、誤った記述であるこの肢が正解です。
民法356条は、「不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる」と定めています。条文のどこにも「設定者の承諾を得て」という限定はありません。不動産質権者は、質権の効力として当然に目的不動産を使用収益できるのです。したがって、承諾を効力要件とする本肢は誤りです。
理由づけとしては、不動産質の制度設計を理解することが早道です。不動産質権者は目的不動産の占有を取得して自ら使用収益し、その代わりに、管理費用その他不動産に関する負担を負い(民法357条)、被担保債権の利息を請求することができません(民法358条)。つまり、収益を取得する代わりに利息を放棄し、コストも負担するという損益の均衡が図られた制度です。この構造からすれば、使用収益権が質権の内容そのものであることは明らかで、設定者のその都度の承諾にかからせる理由がありません。
ひっかけポイントは、民法359条の存在です。同条は、民法356条から358条までの規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、または担保不動産収益執行が開始されたときは適用しないと定めています。つまり、使用収益をしない旨や利息を請求できる旨を当事者が特約で定めることは可能です。しかし、これは「設定行為で別段の定めをすれば変更できる」という話であって、「原則として設定者の承諾が必要」という話ではありません。原則と例外を逆転させるのが本肢の仕掛けです。
関連知識として、不動産質権の存続期間は10年を超えることができず、これより長い期間を定めても10年に短縮されます(民法360条1項)。また、不動産質権には抵当権の規定が準用され(民法361条)、対抗要件は登記です(民法177条)。抵当権者が原則として目的物を使用収益できない(非占有担保である)のと、不動産質権が占有担保であることの対比は、本試験でくり返し狙われるポイントです。
結論:この肢は「正しい」。
本問は「妥当でないもの」を選ぶ問題ですので、正しい記述であるこの肢は正解になりません。
民法362条1項は、「質権は、財産権をその目的とすることができる」と定めています。質権の目的は動産・不動産に限られず、債権、株式、知的財産権などの財産権にも設定することができます。これがいわゆる権利質であり、実務上は預金債権や売掛債権に対する債権質が広く利用されています。
民法362条2項は、権利質について、同条1項に規定するもののほか、質権に関する総則および動産質・不動産質の規定を、その性質に反しない限り準用するとしています。したがって、質権の付従性・随伴性・不可分性(民法350条・296条)や物上代位(民法350条・304条)などの一般的性質は権利質にも及びます。
債権質の対抗要件は債権譲渡の規定が準用され、質権設定者から第三債務者への通知または第三債務者の承諾が必要であり、第三者に対抗するにはこれを確定日付のある証書によってしなければなりません(民法364条、467条)。2017年の債権法改正で、旧法の規定が民法364条として整理され、また譲渡制限特約付債権であっても質権設定・譲渡が有効であることが明確化されました(民法466条2項)。現行法(2026年時点)ではこの点を前提に学習してください。
質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができ、その債権の目的物が金銭であるときは、自己の債権額に対応する部分に限り取り立てることができます(民法366条1項・2項)。抵当権者が物上代位のために差押えを要するのと比べ、簡便な実行方法が用意されている点が特徴です。
ひっかけポイントは、「質権は動産にしか設定できない」といった誤った限定や、権利質の対抗要件を登記や引渡しと入れ替える出題です。なお、法人が債権を質入れする場合には、動産債権譲渡特例法に基づく債権譲渡登記による対抗要件具備も可能です。